足ながおじさん
1955年(昭和30年) 米 フレッド・アステア レスリー・キャロン 126分<あらすじ>大富豪の3代目経営者ペンドルトンは、フランスの孤児院を訪れた際、面白い18歳の女の子に感じ入るいわゆる妾にするような風聞を敬遠するため、名を明かさず資金援助してジュリー・アンドレを進学させる。条件は彼女に毎月手紙を書かせること。しかし元来気分屋の彼はそのことを忘れてしまって。少女文学の鉄板作品。男子のわたしかれすると、名前は知っていても読むことがなかった作品。少女に薦める小説だから、あしながおじさん=人格者の篤志家だと信じて疑ってこなかったのに。映画が原作に忠実だとすれば、むしろ恋愛小説なのね。この時代の映画は舞台の演目を全国津々浦々まで鑑賞させることができないから、映画で舞台劇を再現しているんだと感じる。主演の二人のバレエダンスは一級品。(どうしてもスカートがひらひらするとついつい目がスカートの中に目が行く哀しい男の性よ…。)この時代ならではなのか、ペンドルトンが思いっきりのほほん社長。鷹揚な時代、今のように社長があくせく労働をしない時代。もうこんな時代は来ないのかな。この程度の働き方が社長にはいいんじゃない。ま、勤務中にドラムを延々とたたき続けられるのはさすがに困るけどね。