カテゴリ:「かくあるべし」の発生
全日本女子柔道のS監督の暴力、暴言が問題になっている。
オリンピック女子強化選手15名がJOCに訴えた。 S監督は強い「かくあるべし」を持っていたと思う。オリンピックでは絶対に日本は勝たなければいけない。自分も指導者として名をあげなければいけない。そうした目で選手たちを見ていると、競技レベルがあまりにも低すぎる。練習時間に遅れるなど緊張感が感じられない。あらゆる面で理想とするレベルに達していない。そこで彼がとったのは選手の人間否定である。ダメ人間扱いして、暴言をはいたり、暴力を振るったのである。 インタビューでは自己反省はあまりない。柔道を強くするためにはこうするのがよかったのだと思っている。 かわいそうなのは選手たちである。恐怖心でおびえ、競技意欲の低下を招いた。 彼女たちは、オリンピックの強化選手である。ある程度の力は持っている。その技をさらに磨きをかけて、オリンピック出場権を得て、メダルを取りたいという夢を持っていたはずである。 監督やコーチは、その選手たちの夢を実現するために力を貸してあげる。手助けをする黒子になるのが仕事ではないのか。 目標が高ければ、前に立ちはだかるハードルも高い。その過程で自信をなくして、柔道に背を向けることもあるだろう。技量の習得が遅々として進まないこともあるだろう。けがをして気が滅入ることもあるだろう。メンタル面で落ち込むこともあるだろう。 その時に選手の力強い味方になるのが監督やコーチではないのか。その過程で選手を叱ったり、ほめたり、なだめたり、課題を与えたりたりして、選手がさらに発奮する材料を多彩に用意してゆくのが仕事ではないのか。本来は選手と一緒に大きな目標に向かって夢を追う素晴らしい仕事なのである。 そうゆう監督やコーチは必ずしも輝かしい成果をあげられなくても、落ちこぼれの選手は作らないと思います。常に目標に向かって努力する本来の人間を作り上げるだろうと思います。 この監督は森田でいうところの気分本位である。もっと悪いのは、自分ひとりで苦しむだけでなく、「かくあるべし」で他人を苦しめているのに、本人にはその自覚がないというのが問題なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.01.31 21:24:12
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