カテゴリ:「かくあるべし」の発生
森田でいう「かくあるべし」の弊害について、石原加受子氏が分かりやすく説明されています。
「○○しなければならない」 「○○すべきだ」 「○○したほうがよい」 これらはすべて「思考」です。 しかもこれは、あなたが自分の感情を基準に決めたことではなく、自分の「借り物」を基準にしています。 こんな借り物の思考を、あなたの意識のコンピューターに入力設定するとします。 さらに「これをすると決めたら、最後までやり遂げなければならない」と入力設定します。 けれども途中で、あなたは設定通りのことが実行できなくなりました。 あなたというコンピューターは、どんな言葉をはじき出すでしょうか。 恐らく、「私はダメだ。能力がない」「いくつも挑戦したが、いつも最後までできたためしがない」 あるいは「根気がない。根性がない。忍耐力がない。継続性がない」などと、自分を責める言葉ばかりが自動的に口をついて出てくるでしょう。 これほど不合理なことはありません。 あなたの人生にこんな「思考」が入力設定されていれば、それだけで、あなたはもろもろのことに積極的に臨むのが怖くなるでしょう。 なぜなら行動しようとするたびに、「もし失敗したら」という思考が、自動的に生まれてしまうからです。 強調しておきたいのですが、「自動的な思考」で、怖れが生まれるのです。 (傷つくのが怖くなくなる本 石原加受子 PHP文庫 33ページ) 観念の世界に身を置いて現実否定をしていると、予期不安で一杯になり、そのうち手も足も出なくなるというのは多くの人が経験されているのではないでしょうか。 森田理論では、思考の世界に立ち位置を固定して、事実の世界を自由自在にコントロールしようとする態度が、人間に葛藤や苦悩をおびき寄せていると説明されています。 前頭葉があまりにも高度に発達した人間はその呪縛から逃れられないのでしょうか。 森田では、思考を優先するのではなく、自分の感情、気持ち、意思、行動、欲求、欲望、希望などを大切に取り扱う必要があると説明されています。 建前ではなく本音を明確にして、そこを出発点にすることが大事になります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.12.06 06:34:32
コメント(0) | コメントを書く
[「かくあるべし」の発生] カテゴリの最新記事
|
|