カテゴリ:行動のポイント
良寛さんは若いころ岡山玉島の円通寺で修業されていた。
そこに仙桂和尚という20歳以上年上の僧がおられた。 この方は僧侶たちの食事を作る、菜園で野菜などを作る典座という仕事をされていた。 その頃の良寛さんは、寺で一途に読経・参禅する。 禅語録に触れることが修行であり、立派な僧侶になるためにはそれ以外のことにうつつを抜かしてはならない。 修行に打ち込んでいるとそんな余裕はないはずだ。 台所で食事を作り、菜園を耕すなどの仕事をする人は下男か作男ぐらいにしか思っていなかった。 その良寛さんが越後の五合庵で暮らすようになって、そのような考え方を改めている。 「仙桂和尚こそは、真の仏道者である。 彼は黙して語らず、朴訥にしてうわべを飾らぬ人であった。 30年間、国仙和尚のもとにあっても、参禅もせず、読経もせず、宗門の教えの一言も口にせず、ただ畑を耕して雲水たちを供養していた。 円通寺当時、私は仙桂和尚を見ていながらも真の姿をみていず、遇っていながらも真の心に遇っていなかった。 ああ、今になって彼にならおうとしても、もはやどうすることもできない。 誠に仙桂和尚は真に仏道を会得した人であった」 この考えは森田理論学習にも通じるところがあります。 いくら森田理論を極めて整然と説明できるだけでは森田を身に着けたとは言えない。それは必要条件ではあるが十分条件とはなりえない。 森田理論には車の両輪があると言われています。 理論の車輪が小さいときは小さいなりに森田理論の活用と応用が必要になります。 理論の車輪がステップアップしていけば、活用・応用の車輪を一回り大きなものに付け替えていく必要があります。 2つの車輪のバランスをとりながら前進しないと、空回りしてしまいます。 森田理論学習のみに偏っていると、期待していたような効果はありません。 むしろ停滞を加速する原因となります。 そして森田理論を恨むようなことになります。 森田理論の学習をしている人からこんな話を聞くことがあります。 ネットゲームが好きで夜遅くまでやっています。 休みの日は昼近くまで寝ていることがあります。 部屋の中は埃だらけです。掃除や整理整頓する気持ちにはなりません。 食事は外食が中心です。鍋や包丁はほとんど使いません。 家で食べるときは、おいしそうなお惣菜を買ってきて食べています。 アルコール中心の食事です。間食のスイーツやお菓子はよく食べています。 土曜日や日曜日は身体を休めることに専念しています。 森田理論を活用・応用している人からは次のような話を聞きます。 規則正しい生活、凡事徹底、ものそのものになる生活を送っています。 起床時間と就寝時間が決まっている。 雑仕事、日常茶飯事のルーティンワークに丁寧に一心不乱に取り組んでいる。 バランスのとれた食事作りや後片付けを大切にしている。 掃除が行き届き、洗濯も滞りなくなされている。 土曜日や日曜日はやるべきことをメモしたリストに従って行動している。 森田理論を学習して生活ぶりが変化しているのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.25 17:51:24
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