投資について考える
最近退職金の運用に失敗している人が多いという。退職金を元手にしてさらに増やしてやろうという気持ちが強いのである。退職金を持っていると金融機関や証券会社が虎視眈々と狙っている。大体最初は投資信託を勧められる。ところが大幅な元本割れを起こしている人も多いのである。中には郵便局で投資信託を勧められ、全額を投資したがリーマンショック後資産が半分になったという人がいた。悔やんでも悔やみきれない。また資金の運用に積極的な人はFX、先物取引、株式の運用をされていることだろう。でもそれらは必ずもうかるというものではない。安倍政権に変わってからは株価が上がり利益を出してしている人もいる。しかし株は変動要素が多い。いいと思って始める時は高値である。高い株価はやがて下がる。それが世の習いである。例えば東京電力などは安定株の筆頭だったのに、今や見る影もない。社債も配当金が多いところを見つけても、そういう会社に限って倒産することがある。大体資産を増やそうという欲が強すぎるとろくなことはない。資産を安全に守るということを最初に考えないといけないと思う。その次のステップとして資産運用を考えるというスタンスを守るべきである。ファイナンシャルプランナーとしての私の考え方はこうだ。資産の10分の2以内だったら株式投資をしてもよい。リスク商品を研究してそれにかけてもよい。それ以外の資金は投資に回してはいけない。また最初は余裕資金の1割か2割で様子を見るのがよい。デイトレードでお金儲けをしようというのはもってのほかだ。ほとんど失敗して後悔する。デイトレードは9割以上の人が苦労してためたお金を失っているのだ。運用というからには半分に減るということも考えないといけない。それでもいいという人が、研究を重ね、勉強会に参加して納得して取り組むことなのです。株が儲かるといって大半の財産をつぎ込むようなことは絶対に慎むべきだと思う。また他人の推奨する株を無条件に信じて投資するのは如何なものか。それで運用益を出そうとする魂胆がそもそも間違っている。そういうのは投資とは言わない。博打というのである。一番いいのは余裕資金の一部を、将来世の中で必ず役に立つと思う会社をベンチャー企業として起業した人を応援するつもりで投資することである。投資というよりも「寄付」するという気持ちである。そういえば森田先生はあちこちに多額の寄付をされていた。寄付したと思えば投資資金失っても腹が立たない。寄付だと思えば余裕資金を超えて投資することは無くなる。うまくいけば会社が伸びて思わぬリターンが入ってくることもある。