内田先生かく語りき
難しいテーマも親しみやすい語り口で説く内田先生にぞっこんの大使は「内田先生かく語りき」というページを設けています。(左の方にあります)今回は「隠居国家」こそ日本のあるべき未来像だと、高らかに?ぶち上げています。若者にとっては、納得しかねるところがあるかもしれないが、歳も近いせいか内田先生の弁はよ~~く、腑に落ちるのです。2/18ドイツのつぎはフランスからよりこれから日本が目指すべき目標は「質のよい後退戦」だと思います。年老いて、気力体力が失われてゆくことは個人にとっても別に不幸なことじゃない。それが自然の理なんですから。むしろ、これを奇貨として、人類史はじめての「たたずまいの端正な隠居国家」の実現を国家目標に掲げる方がいい。俗世の欲得でじたばたしている「若者」たちを暖かく見守りながら、大所高所から静かな口ぶりで味のあるアドバイスをする「隠居国家」こそ日本のあるべき未来像だと私は思います。とはいえ、日々の糧は得なければなりません。製造業はもう老人国の分野ではありません。では何に特化するか。私のお勧めは「ホスピタリティ産業」です。幕末や明治初期に書かれた外国人による旅行記を読むと、接客の暖かさと質の高さにおいて、日本はきわだって高い評価を受けています。世界に冠たるホスピタリティのノウハウを日本人は国民文化として持っている。 美しい里山、白砂青松、温泉、スキー場など、観光資源には事欠きません。それゆえ、これまで公共事業でさんざん破壊してきた自然をもう一度再生させることが救国のための第一の急務だろうと思います。バブル絶頂期の頃の日本では聞かれたことがない論調なので、この弁は時流に乗っているだけで普遍的とは言えないのでは?と思われる人もいるかもしれないが・・・・アングロサクソンの嫌らしさを熟知し、ガチガチの攘夷派を自認する?内田先生の身についた持論なんでしょうね。世界の子供たちに、アニメという文化的浸透装置で仕込んだ日本ブランドの力は馬鹿にならないので・・・・先生言うところの「ホスピタリティ産業」は案外いけるかも?