ドイツ・チェコの夏休み3~ニュルンベルクその2
今度は、メインストリートを離れ、城壁に沿って、街はずれを歩いてみます。 城壁ぞいの道は、街の中心とはうってかわって閑静な雰囲気。まるで、現代の人々から忘れ去られたかのような場所です。 地元のおじさんが、ベランダの花の世話をしていました。 「こんにちは」 「やぁ、こんにちは」 「お花、綺麗ですね」 「そうかい」 …と、世界ふれあい街歩き風に。(声:矢崎滋) 大きな道に出ました。信号をよく見てわたります。 城壁にそって、どんどん進みます。 門をくぐって、城壁の上に登って、街を眺めてみると…。 向こうにお城が見えますね。行ってみましょう。 結構な急坂を登ります。 この「坂道を登る」という行為も、ヨーロッパの旅に欠かせないポイントのひとつです。坂道、階段、塔など、高いところへ続く道を見つけたら、とにかく登ってみるのです。 馬鹿と金持ちは高いところが好きだと言いますが、お金を出してエレベーターに乗って展望台に上がるのが金持ちだとすると、その先に何があるかわからないのに、とりあえず歩いて登ってみるのが馬鹿。で、登ったあとで景色を見た時の感動が大きいのは、もちろん馬鹿のほうなのです。 塔などの、「確実に景色がいい」と予想されるような場所でも、ガッカリするような例も少なくなく、まして何でもない街中の坂道なんかだと、登ってみても何もなかった、なんてことがほとんどなのですが、だからこそ、何かあったときの感動が大きくなります。 城にある塔からの眺めです。 期待以上でも期待以下でもない景色でしたが、やっぱり自分の足で登ってきたことによる感動は味わえます。 お城には中世甲冑ギャラリーがあります。 ここはぶきとぼうぐのみせだ なにをかうかね? てつのよろいかね? お城を離れ、裏路地を歩きます。 木組みの建物がいかにもドイツ風。綺麗な看板を探し歩くのも楽しいです。 さて、ニュルンベルクには、もうひとつ、見逃せないスポットが。 それは、「DB博物館」。DBとは、ドイツ鉄道のこと。 つまり、ドイツの「てっぱく」です。 蒸気機関車からICE(ドイツの新幹線)まで。蒸気機関車はホンモノです。触れます。 おおっ、これは伝説の名列車TEE! トランス・ヨーロッパ・エクスプレス。その名の通り、西ヨーロッパ各国をまたにかけて走った、1957年開業の特急列車です。 あら、これは懐かしい2マルクのコインロッカー。ほんの10年前ぐらいまではドイツの各駅にありました。 そして、鉄道旅行ファンのハートをとらえてやまない、行先表示板。この板を見てるだけで、ご飯が何杯も食べられます。シュツットガルトで列車の向きが変わるんだよねー、とか、シュツットガルトを出てウルムに向かう途中で北海と黒海の分水嶺を過ぎるんだ、とか、小一時間語りつつ…。 他にも、フランクフルト駅の建築過程の説明とか、ナチス時代の鉄道の話とか、昔の乗務員の制服の展示とか、鉄道に関するありとあらゆる展示がぎっしり。 さらに、通信博物館も併設しており、そちらも見どころ満載です。 通信博物館にあった、展示の一部。 かつて、これほど科学的に顔文字を解析した研究があったでしょうか。さすがドイツ! 次回はチェコの温泉町、カルロヴィ・ヴァリを訪れます。