第21回 学校へついに英語学校入学の日がやってきた。朝無事に学校に到着するとUMIST(大学)の校舎に行くように促された。そこにはこれから英語を学ぼうとしている人でにぎわっていた。受付を済ませると早速語学試験へ。試験は一日何回もあるようだった。どこに座ってよいのかも分からず、適当に座っていた。試験官の先生が説明を始めるが、なかなか意味をつかむことができなかった。特にマークシートの説明は難しく(本当は日本の試験と同じようなことを言っているのだろうが)周りをチラチラ見ながら書いた。しかし、このとき初めて、英語でマークシートや書類を書くのが難しいということがわかった。試験はさっぱりわからなかった。なんてたって、英語の質問そのものの意味がわからないのだから答えまで行き着けるはずがない。聞き取りはさっぱりだったダメだった。しかし「なーに日本人は文法に強いんだから、次の文法問題で挽回だ」などと相変わらずの根拠の無い妄想を抱いていた。そして、文法。「何、これ。さっぱり意味がわからん。」私はきっと文法を甘く見ていた、と同時に「日本人は英語を話すことはできないが、文法はそこそこ理解できる」という幻想を根本から打ち砕かれた。 このテストはクラス編成のためのもので、結果はすぐに出た。私は9クラス中のレベル7(もちろん1に近付くほどよい)のクラスに入れられた。「まあここから上がっていけば良いさ。しかもレベル7でしょ、みんな俺ぐらいしかできないんだから気楽なもんさ」と考えていた(いつまでも能天気で楽天家だ)。しかしこのレベル7で私は地獄を見ることになる。 |