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カテゴリ:営業マン必読小説:どん底塾の3人
▀小説「どん底塾の3人」052:おわりそしてはじまり
ナレーター「最後のどん底塾を終えた3人は、スナックにいます。加納さんの発案でシャンパンで乾杯したのですが、なにやらお通夜みたいな感じです」 加納「どん底塾、とうとう終わっちゃったわね」 大河内「なんか、力が抜けた感じだ」 海老原「終わったんじゃない。これから、はじまるんだよ」 加納「亀さんって、言葉は乱暴なのに、ピュアな人だよね」 大河内「とにかく、あっという間の4か月だった」 加納「ずっと、亀さんのこと、疑っていた……」 大河内「おれも半信半疑だったさ」 海老原「亀さん、新しい就職先まできめてくれていた……」 加納「わたしには定款で、雄太には顧客リスト。どん底塾ともっと早くに巡り合っていればよかったのに」 大河内「百合子のリストラがなければ、亀さんとの出会いもなかった」 加納「そうか、あれがきっかけなんだ。リストラに、感謝だわ」 海老原「それって、亀さんが教えてくれたポジティブ思考だよね」 大河内(亀さんの声色をマネて)「それはいい、海老原は成長したよ」 加納(泣き声になって)「最近の亀さんは、すっとそう励ましてくれたよね」 大河内「泣くんじゃない。さっき散々泣いたのに、まだ涙が残っていたんだ」 加納「さっきのはうれし涙。いまのはくやし涙なの」 海老原「くやし涙って?」 加納「亀さんを一時的にも疑ってしまったこと、思い出しちゃって」 大河内「亀さん、寂しそうだったな」 加納「どん底か、いい言葉だわ」 ナレーター「静かな時間が流れています。3人の話がかみ合わないのは、きっと希望という名の湖から、教わったたくさんのことを拾い出しているからでしょう。近寄りがたいほど、厳粛な儀式にさえ見えます」 ※ダントツ営業の知恵 メビウスの帯のように、営業の世界はエンドレスである。終わりとはじまりを、ていねいにつなごう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年04月15日 03時06分55秒
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