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2016年05月10日
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堀公俊『ファシリテーション入門』(日経文庫)



 

組織のパワーを引き出し、すぐれた問題解決に導く技術がファシリテーションです。(1)成果に至る時間を短縮する、(2)チームの相乗効果を生む、(3)メンバーの自律性を育む、といった効果が得られます。会議運営、プロジェクト推進、組織変革、合意形成、教育学習など、幅広い領域で活用できます。本書では、会議運営とプロジェクト推進に焦点を当てて、「場のデザイン」「対人関係」「議論の構造化」「合意形成」の4つの基本スキルを解説します。(「BOOK」データベースより)

 

◎結局「人間力」である

 

堀公俊『ファシリテーション入門』(日経文庫)の最後に、次のような文章があります。私はこの認識を持っている著者を、高く評価したいと思います。

 

――研鑚を積んだり、一流のプロの技を研究していけば、ファシリテーションは知識やテクニックだけではないことにも、だんだん気がついてきます。その人が持つ使命感や存在感、人や社会への責任感や奉仕精神など、最後には「人間力」というしかないものの存在が大きいことに気がつきます。特別なトレーニングを受けなくても、ファシリテーションを見事にやってのける人が世の中にいるのもそのためです。(本文P193

 

私が営業リーダーだったころには、ファシリテーションなるカタカナ語は存在していませんでした。コーチングもロジカルシンキングもアクティブリスニングもカウンセリングもありませんでした。それでも部下が溌剌と楽しく仕事ができるような、組織運営をしている人はたくさんいました。

 

私が本書を選んだのは、松山真之助さんの推薦図書だったからです。松山真之助さんは、私が若いころに連載していたPHP研究所メルマガ「ブックチェイス」の執筆仲間です。私の担当は日本現代文学で、松山さんはビジネス書の書評を担当していました。

 

私の周囲にはファシリテーションのトレーナー資格を持った、若い人が何人もいます。そんな人たちを理解するためにも、読んでおきたかったジャンルでした。

 

しかし堀公俊『ファシリテーション入門』(日経文庫)は、ファシリテーション研修の案内書のようなものでした。たとえば現役の営業リーダーが明日から会議を変えたいと思って本書を読んでも、あまり役には立ちません。

 

本書の第7章は、会議にファシリテーションを導入するくだりが書かれています。しかしそれを活用するリーダーは、2日間の研修を受けているのです。ただし研修を受けなくても、本書には気づかされることがたくさん紹介されています。ヒントとなることを試してみる。そこから試行錯誤をはじめる。そんな風に本書を、活用していただきたいと思います。

 

◎まずは部下との信頼関係

 

世の中には、カタカナのスキル本が満ちあふれています。私はそれらの本には、あまり興味がありません。崇高なスキル以前に、まずリーダーの「人間力」を鍛えるべきである、との信念があるからです。

 

堀公俊がいみじくも書いているように、最終的には「人間力」がものをいいます。信頼のない関係で、いかなるスキルを発揮したところで、大きな成果は望めません。

 

まずは部下との信頼関係を構築すること。本書を読んでそのことを、改めて学ばさせていただきました。スティーブン・R・コヴィー『七つの習慣』(キングベアー出版、500+α紹介作)から、大事にしている教えを引いておきます。



 

――自分の人格に基本的な欠陥、二面性、あるいは不誠実さを持ちながら、テクニックや手法だけで人を動かしたり、仕事をさせたり、士気を高めようとしたりすれば、長期において成功することはできない。いずれは、その二面性によって相手に不信感が生まれるからである。(同書P13

 

同様の趣旨で私は、『仕事と日常を磨く 人間力マネジメント』(医薬経済社)という著作を上梓しています。カタカナ語スキルの習得は、本書を卒業してからにしていただきたいと思います。まずは「人間力」を磨くこと。これを最優先しなければなりません。

 


◎自己変革したリーダーへのプレゼント

 

「真面目なリーダーなのですが、部下たちは彼の運営する会議の価値は認めていません。ひとつ診断していただけませんか? 本人も指導してほしいと希望しています」

 

こんな依頼を受けて、ある営業所へ行きました。会議はリーダーが一方的にしゃべりまくり、自分の考えを強引に押しつけていました。ディスカッションすらありませんでした。部下たちにインタビューしました。

 

「まじめすぎる上司です」

「本人は一生懸命なのはわかりますが、しんどいだけの会議です」

ほとんどが、こんな回答のオンパレードでした。

 

部下たちとのインタビューを終えて、リーダーと話をしました。

私のフィードバックに、リーダーは真摯な態度で頷きつづけました。自覚しているのです。自分の運営する会議が、部下たちに評価されていないことを。

 

私はリーダーに、次の約束をしてもらいました。

・司会は部下にまかせて、共感したとき以外には発言しないこと

・会議にディスカッションの時間を導入して、最後は全員で納得合意するように結ぶこと

 

半年後にリーダーとお会いしました。彼は会議後に、本日の会議の評価アンケートまで実施していました。

 

「しゃべらずに成り行きを傍観しているのはつらいことですが、事前に司会役とは落としどころを話し合って合意しています。部下たちの結論が、おかしな方向に行くことはありません。みんな会議が役に立つといってくれるようになりました」

 

私は彼に1冊の本をプレゼントしました。

「読んでごらん。きみの今が描かれているから」

最初に自己変革ありき。それを実現した彼にこそ、堀公俊『ファシリテーション入門』(日経文庫)は効果を示すのです。

(山本藤光:2013.06.22初稿、2018.01.10​改稿)​






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最終更新日  2018年01月10日 01時54分06秒
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