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カテゴリ:知だらけの学習塾
知だらけ068: 集める(小さな研究の進め方)
「小さな研究」の進め方を紹介します。例題として、日本昔話『花咲爺』を取り上げます。塾長はこれから「花咲爺の謎」に迫ろうとしています。
『花咲爺』に関する資料を集めます。以下は塾長が集めた本です。絵本、物語、評論と3つのジャンルの資料を集めました。
・絵本1:文・やすいすえこ「日本のお話100」(フローベル館) ・絵本2:文・やすいすえこ「続日本のお話100」(フローベル館) ・絵本3:文・柳川茂「日本昔ばなしアニメ絵本」シリーズ(永岡書店) ・物語1:稲田浩二・稲田和子編著「日本昔話100選」(講談社α文庫) ・物語2:関敬吾編「日本の昔ばなし」シリーズ・(岩波文庫) ・物語3:天沼春樹編著「子どものころ読んだおとぎ話37選」(東京書籍) ・評論1:「いまは昔むかしは今」シリーズ(福音館書店) ・評論2:松居友「昔話とこころの自立」(宝島社) ・評論3:河合隼雄「おはなしの知恵」(朝日新聞社) ・評論4:大槻義彦「おとぎ話を科学する」(PHP) ・評論5:別冊國文学「昔話・伝説必携」
「小さな研究」のための資料収集が終わったら、自分の記憶のなかの『花咲爺』と絵本や物語に描かれたそれとのギャップを探します。この段階は、「小さな研究」の方向性を決める大切なものです。
◎塾長の記憶のなかの物語
むかしあるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。そこへ白い犬が迷い込んできます。2人は犬に「ポチ」という名前をつけて、可愛がります。 ある日、ポチは爺に「ここ掘れ、ワンワン」と伝えます。掘ってみると、金銀がザクザクと出てきました。それを知った隣りの欲張り爺さんと婆さんは、強引にポチを借ります。 土を掘ってみると、大量のゴミが出てきます。ポチは殺されてしまいます。ポチが焼かれたかまどから、善良な爺さんは灰を集めます。 善良な爺さんは、枯木に登って灰をまきます。すると枯木に、みごとな花が咲きます。ちょうど通りかかった殿様が、ほうびに金銀を与えます。 欲張り爺さんも灰をとって、枯木に登ります。しかしいくら灰をまいても、枯木に花を咲かせられません。立腹した殿様は、欲張り爺さんをこらしめます。「もう欲張りはいたしません」と爺さんはあやまります。
おそらく塾生の記憶のなかの物語も、こんな感じだと思います。最初に3冊の絵本と3冊の物語を読みます。自分の記憶の誤りを、抽出するのが目的です。
「小さな研究」の第1ステップは「集める」です。先に紹介した切手の収集家は、最初は国別に分類するだけでした。ところが彼は、切手の図柄別に整理することに変更しました。人物、建物、動物などと分類方法を変えたのです。そこから人物のことや人物が活躍した時代のことなどを調べるようになりました。 これが単純な収集の世界を「小さな研究」にまで昇華させたポイントです。
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最終更新日
2018年01月04日 02時41分26秒
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