県立入試社会記述式問題
途中入塾の中3に対して、今日の午前は社会の記述問題で押してみた。やはり、理解の浅さが目立つ。しかし、それ以上に記述自体の曖昧さが目立つ。もちろん生徒の力に合わせてだが、私は全ての教科で記述の曖昧さを許さない。例えば、「大坂が天下の台所と呼ばれた理由を書け。」こういう問題に対して、生徒は「大坂には蔵屋敷があって、米を貯蔵していたから。」と答えたりする。自己採点させれば正解とするだろうし、実際の受験でもおそらく正解とされる。しかし、この記述では厳密には正解とはならない。私は言う。「あなたのお家のキッチンにもお米の貯蔵はしてあるよね。誰かそれを買いに来たことがある?」「松阪から嬉野に向かう道の右側に大きなライスセンターがあるよね。そこに米屋さんが群がっているのを見たことある?」そう貯蔵しているだけで売らなければ、商人は集まってこない。むしろ米騒動の時のように貯めるだけ貯めて売らない状態なら、商人が集まるのではなく、町民による打ち壊しなどの暴動が起こるべきだ。正解は「大坂には大名の蔵屋敷が建てられ、全国から物資が集められて売買されていたから。」となる。常に国語の授業をしているようなものだ。そこまで厳密に書かないとだめなの?と言われるだろう。確かに高校受験に受かるだけならそこまでの厳密さは必要ないかもしれない。だが、先を見据えると、大学受験、小論文、就職のエントリーシート、文章を書かなければならない状況は増えてくる。だからこそ、全ての採点を生徒に任せず私自身がすることで、日本語の運用能力を上げていきたい。私の塾で、生徒本人による採点をできる限りさせないのはそれが理由だ。