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カテゴリ:本のはなし
「生きながら火に焼かれて」という本を読んでいます。家族の名誉のための殺人が伝統的に認められているヨルダンの小さな村に生まれた少女は婚前交渉を持ったために自分の家族によって殺されかけるというすごい内容。奇跡的に生き残ってヨーロッパで第二の人生を送る著者は、現在も家族によって命を狙われる危険があるため、素顔も本名も明かせないのだそうです。
これが特異な例ではなくて、かなり多くの女性が殺されているらしいです。最近、新聞などでも取り上げられるようになりました。この殺人は地域社会の因習で、家族や近隣の人たちみんなでグルになって隠されてしまうのでいままでずっと表沙汰にならなかったとのこと。聞けば聞くほどおっかない。 教育も受けられず、まともに人としても扱われず、日常的に暴力を受けて家畜のように働かされる女の子たち。男たちも女たちもそれが普通で、当たり前だと思っている。そういう社会ではこちらが人権だなんだと言ってもすぐに受け入れられないのだろうな。とても複雑で難しい問題です。 生きながら火に焼かれて ( 著者: スアド / 松本百合子 | 出版社: ソニー・マガジンズ ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 31, 2004 08:16:27 PM
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