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カテゴリ: 日々の暮らし
4月3日は関東地方に強風が吹き荒れていた。都内でも風速30m以上もの凄まじい風により、目を開けているのも辛いくらい。そんな、そんな日に限ってだ。夕刻、なにやら家の外がにぎやかではないか。しかも、消防車やパトカーのサイレンの音がこちらに近づいてくる。
ま、まさか!火事? 慌てて外に出る。すると、自宅の裏に広がる広場から黒い煙がもくもくと広がり、真っ赤な炎がだんだんとこちらに近づく。しかも、この強風である。住宅街から少し離れてはいるが、風の勢いでどうなるか分からない。 誰よ、こんな日に火事をおこす輩は! 原因もわからぬまま、ただただ今は消防隊の皆さんがこの恐ろしい炎を消してくれるのを待つしかない。 しかし、万が一ということもある。すぐにオットの携帯電話に連絡し、 「なにを持ち出したら良い?」 と聞く。するとオットはしばし固まり 「えっえっ・・・・どうしよう。とりあえずサーバーのバックアップ用HDDをサーバー本体からはずして」 衣類や家具はまた買えるものだが、サーバー内にあるデータたちはそう簡単に買えるはずもなく、それは私も身をもって体験しているわけで、すぐにサーバーのバックアップHDDを鞄につめこむ。預金通帳の類もかき集め、そして、次に向かったのはピアノ部屋(はい、予想どおり、であるが) 楽譜だってまたお金を出せば買える、いや、買えないものもあるとは思うが、おもむろに握りしめたのは鈴木弘尚さんにサインしてもらったシューマンのアベッグ変奏曲の楽譜と、高橋多佳子さんにサインしてもらったショパンバラード集。 こんな時に、私ったら何をやっているのだ。他にも大切な楽譜やCDはあるだろうに? それにしても、いざという時、本当に頭が真っ白になるものだ。こんな時だからこそ、冷静に行動せねばならないのに、意味不明な行動をしている自分に思わず苦笑してしまう。 以前、地震の際に何を持ち出そう、という話題をしたことがあったが、今、危機を目の前にして何も出来ない己の愚かさを、心の奥底から反省している。 火事のほうは、2時間ほどで鎮火し、無事に難を逃れたのだが、いつどのような災難が降りかかるかなんてわかったものではない。命よりも大切なものなんて無いのだが、やはり「これだけは一緒に持ち運ぼう」というものはきちんと把握しておくことを、いまいちど教えられたそんな出来事だった。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ PCのHDDがクラッシュしてから何日間もの間、ピアノ部屋にゆっくり入ることはなかった。まるで避けているかのごとく・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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