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ガムザッティの感動おすそわけブログ

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gamzatti@ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

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gamzatti

gamzatti

2007.09.08
XML
カテゴリ:バレエ・ダンス


アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ/チャイコフスキー:バレエ「SWAN LAKE」

「白鳥の湖」は、チャイコフスキーのバレエ音楽の傑作です。
この音楽にインスパイアされて、多くのアーティストが様々な「自分の作品」を作りました。

この、アドヴェンチャーズ・イン・モーション・ピクチャーズ(AMP)を率いる
マシュー・ボーンもその一人です。

「白鳥を男が踊る」というと、グランディーヴァ・バレエ団のような、
どちらかというとコミカルな、チュチュを着て(いわゆる女装)のものを想像するでしょうが、
これは違います。
男のまま、上半身裸で、
白鳥の羽をイメージした羽根付きサブリナパンツのようなものを身に付けて踊るのです。
ものすごくシリアスな、
同性愛の至福と絶望を
チャイコフスキーのすばらしい音楽にのせ、リアルに描いた名作です。

舞台設定は、現代のイギリス。
どうみても若き日のチャールズ皇太子とエリザベス女王的な、王子と母親との関係。
母親の愛情に飢え、社交界になじめず、
ただ一人、自分を理解してくれているのかと信じていた女性もどうやらカネで雇われていたと知り、
自分を見失ってしまった王子は、湖のほとりで自殺を図ろうとします。

そこに、「白鳥」がやってくる。
アダム・クーパー演じる「白鳥」が。
男たちの群舞に囲まれ、翻弄されながら、王子はクーパーと心を交わし、
そして生きていく歓びを胸に、自殺をとどまります。

場面変わって、王室の舞踏会。
とはいっても、キッチュな服装で、モダンな踊りが続く。
もちろん音楽はチャイコフスキー。この場面が見事。
いわゆる「ナポリ」「チャルダーシュ」といったキャラクター・ダンス(民族舞踊)の音楽に、
最高にオシャレなパーティーダンスを振付けたマシューは天才!
大盛り上がりの会場に闖入した「黒鳥」(クーパーの二役)。
これが、死ぬほどカッコイイ!!
黒のスーツをビシッと着こなして、射抜くほどの鋭い眼光を光らせながら、
次々と相手を変えてはダンスをします。
なまめかしいダンスを。
なのに、王子には知らんぷり。あえて避けている感じ。
そして、女王ともセクシーに踊る「黒鳥」に、王子はとうとうブチ切れる。

「何でだよ、僕を覚えていないの? 何で無視するの?」

そこから始まるキケンなパ・ドゥ・ドゥ。
「いいんだな? オレと踊っていいんだな? たしかに、あの夜、お前と・・・」

それまでは、一目おかれる「王子」だった。
しかし、カミングアウトしたその時から、周りはウワサを始める。
笑いものにされている!
「黒鳥」でさえ、本当に自分の味方なのか、
それとも、アソビだったのか。
本当の愛は、どこにあるのか???

精神の均衡を失った王子は、まどろみの中で夢を見ます。
昔、子どもの頃、母が行ってしまった一人ぼっちのベッドで見た夢を。
ステキな白鳥が、自分を胸に抱いてくれる夢を。
その白鳥が、今ここへ、助けに来てくれる夢を。

「やっぱり、僕のことを、愛してくれていたんだね」

しかし、その愛は、無残に引きちぎられてしまいます。
誰に、何故に???

「白鳥の湖」は全幕バレエとして、最高峰とも言われます。
踊る人、振付ける人によって、何層もの物語を見るものに提供してくれ、
何度見ても飽きることがありません。
見るたびに新しい発見がある。それほど味わいのあるバレエです。

でも、
私はこのマシューの作品に出会った時の衝撃が忘れられない。
チャイコフスキーの深く繊細な音楽が、
あのたおやかなオデットの物語とこれほどかけ離れていながら、
同じように胸いっぱいの愛の感動を呼び起こすとは。

私はゲイでないので、彼らの本当の歓びも苦しみも理解はしていないと思うけれど、
「同じなのだ」ということが、よくわかります。
人が人を愛すること。
その人に振り向いてもらえないこと。
秘めた思いであること。
それらは、男と男であっても、男と女であっても、女と女であっても
違いはないのではないでしょうか。

AMPのシリーズにはバレエを下敷きにしたものが多いですが、
そのダンス技術の差に起因して、「バレエではない」と評されることがしばしばあります。
私でも、そう思う時があるくらい。
でもこの「SWAN LAKE」だけは、別格。
「白鳥の湖」の構成をリスペクトして、絶妙に換骨奪胎しています。
白鳥/黒鳥役のアダム・クーパーの力量に負うところも大きい。
金髪をなびかせて、涼しい眼で颯爽と踊られてしまうと、
話の筋とか主役は王子よね、とか、そんなことも吹っ飛んでメロメロ。

バレエ好きな人も、
バレエを知らない人も、楽しめる名作。
ぜひ、ご覧あれ。

*ちなみに、アダム・クーパーは、
映画「リトル・ダンサー」のラストシーンで主人公の成長した姿として出演しています。
熊川哲也が金賞をとった1989年のローザンヌコンクールでプロフェッショナル賞を獲得し、
ロイヤルバレエ団でも熊川と同僚でした。
クーバーがロミオ、熊川がマキューシオで「ロミジュリ」来日公演もありました。





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Last updated  2007.09.09 18:39:16
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