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 月光院璋子の日記  beside you

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Ms gekkouinn

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Dec 20, 2007
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カテゴリ:映画&DVD
早朝から映画となりました。

麦の穂を揺らす風』、

朝から見るような映画じゃないという声もどこから聞こえてきそうですが----
アイルランド独立戦争(イギリスからの独立)とその直後の悲惨な内紛を描いた作品ながら、悲しいほどに美しい映像で、それが見たかったのかもしれません。
去年ブログで書いた記憶がありますが、この映画を見るのは、これが二度目です。

この映画がイギリスとアイルランドの合作だということに、
あらためて感慨を深く持ちました。
アイルランド島の南側がアイルランド共和国という独立国で、北アイルランドはイギリス領という複雑さも、アイルランドの歴史の負と影。
アイルランド共和国の首都ダブリンは、
オスカー・ワイルド、ジェームス・ジョイス、サミュエル・バケットなどの作家を生み出したことでも有名ですけれど、アイルランドは政治でではなく文化で、イギリスに一矢どころか百矢も報いてきたのだと思うわたくし----


人間、自然の美しさに目を留めなくなったら、そしてその輝きで胸をいっぱいにするということがなくなったら、おしまいかもしれませんね。歴史は、わたくしたち人間が自然の恵みと美しさに目がいかなくなったときの愚かさ、その積み重ねであり、この愚かさは未来永劫続くかもしれないわたくしたち人間の業のようなものなのでしょうね----

自然という最大の造形を行った創造主も、さぞかし嘆いておられることでしょう。神への畏怖の念も敬愛や感謝の思いもどこかにいってしまい、同じキリスト教徒同士が宗派の違いで国を挙げて争い殺しあってきた歴史は、何もイギリスとアイルランドに限らないけれど、両国の負の歴史はIRAというものを生んだ歴史でもありました。

同じ民族同士が考え方の違いでさらに相争い殺しあうように、同じ一人の人間が、命を救うために勉学してきた能力と心を、やがて人殺しとその行為の正当化する思想のために用いるようになる----彼をしてそうさしめた祖国愛って何なのか。

教会で神父相手にデミアンが異議を唱えるシーン、

条約を批准してまずは平和を得たことを、他の仲間のようには受け入れられずに叫び、友とも考え方の相違で仲たがいするシーン。イギリスの脅しと威圧の元に行われた選挙なんか、正当な選挙と言えるか!この国の金持ちとカソリックはまたもイギリスに味方した!この国の国民はいまだ搾取されたままだ!貧しい子供たちは貧しいままだ!ニューヨークへ移住すればいいのか!友も叫ぶ。お前は夢想家だ。条約は批准した後で、いくらでも改正できると。けれど、デミアンは譲らない。僕は夢想家じゃない、現実主義者だと。
その顔には、もう以前のロンドンに行って医者になるんだと希望に燃えていた面影も、愛する人と過ごしたときの面影もなく、思想に準じる頑迷さだけだと感じるのはわたくしだけかしら-----。

日本も不平等条約で苦しんだ年月がありました。日米和親条約。その理不尽さを改正するためにどれだけの年月を要したことか-----。けれど、当時の日本人は、それこそ耐え難きを耐え忍び難きを忍んで、内紛で国を分かつような状態も避け、IRAのようなテロに走る集団組織も作らず作らせず、その不平等条約を対等のものにすべく国力を蓄える選択をした。
アイルランドがこうした選択をしなかったのは、政治リーダーの問題なのか、それとも民族性の違いなのか----

アイルランドの分裂した状態が、今後どういったプロセスを経ていくのか、統合に向かうのか、それとも現状のままでいくのか、それは数十年後あるいは百年後にならないと誰も分からない。歴史にその答えを見出すことは困難なほど、アイルランドの歴史は複雑です。
けれど、同じ民族同士で仲間同士で銃を向け合う歴史は、
二度と繰り返されないように祈りたい。

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もうじきクリスマスです。
キリスト教という一神教の信者の方たちは、イエスの最高の教えが何であるのか、そこに思いを馳せていただきたいものです。「汝、隣人を愛せよ」をクリスマスを祝う方たちは今一度考えてほしいと期するわたくし----

対テロ戦争と声高に叫ぶ前に、テロが起こる背景をもう一度考えてみる必要があるのに、世界の現実はそうはならないのは、なぜでしょう。わたくしたちが気に入らない隣人や嫌いな相手と仲良くする知恵を持たないから?

IRAのテロも止んで久しいですけれど、ブラッド・ピッドがそういえば、IRAの最後の戦士、テロリスト役を演じた映画がありましたっけ。ハリソン・フォード扮する警官の家に下宿するテロリスト----何という映画だったか。その映画でも、テロリストと称されたIRAの兵士役のブラピの目は、頑迷さを自覚したとき悲しいほどに美しい目でした。


映画『麦の穂を揺らす風』は、イギリスの名監督、ケン・ローチ監督のカンヌ映画祭で最高の賞を取った作品。数ある秀作のの中でも代表作として語り継がれる作品になるでしょう。映像もはっと息を呑むほどの美しさです。撮影は、多くのローチ作品をいっしょに撮っているバリー・アクロイドというカメラマン。主演は、キリアン・マーフィー、『真珠の耳飾の少女』にも出演しています。少女の恋人役の彼、ですね、何だか青年デミアンと似たような性格の青年だったような気がしますけれど、気のせい?

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Last updated  Dec 20, 2007 07:35:09 AM
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