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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:日々の読書(ミステリー)
今日は、私がこのブログを始めて、ちょうど1周年である。過去のブログを読んでみると、最近のものとは大分趣が変わっている。進化しているのなら良いのだが、自分ではよく分からない。この間に別館も開設し、われながら良く続いたものだと思う。 それはさておき、今日の記事に入ろう。 長野県戸隠と聞くと、私のような年代のものは、忍者の流派の一つ戸隠流を連想する人も多いと思う。(たぶん) 「戸隠伝説殺人事件」(内田康夫:角川文庫)は、その戸隠を舞台として、戦時中に起こった悲劇に端を発する因縁の物語である。なお、戸隠流忍術はまったく関係はない。 この作品は、内田康夫の初期の作品で、「後鳥羽伝説殺人事件」、「平家伝説殺人事件」に続く「伝説シリーズ」第三弾となっている。ただし、最初の二つは、浅見光彦シリーズであるのに対し、本作品の主人公は、「信濃のコロンボ」こと竹村警部である。このシリーズの前作を読んでいないのでよく分からないのだが、何か手柄を立てて、2階級特進し、巡査部長からいっきに警部になったというすごい人らしい。 この物語のモチーフは、この地に伝わる、鬼女「紅葉」の伝説である。平維茂が、戸隠山中に住む鬼女「紅葉」を退治する物語であり、「紅葉狩」 (もみじがり)という、能にもなっている。 舞台の始まりは、戦時中の戸隠村。戸隠神社を奉じる社家の娘天道タキは、徴兵を逃れて、タキの家に隠れていた子爵令息立花智弘と愛し合っていた。ところが、密告により、踏み込んできた憲兵たちにより、タキは陵辱され、二人は引き離される。 四十年後、長野実業界の実力者武田が、「紅葉」伝説ゆかりの地、「毒(ぶす)の平」で毒殺死体となって見つかる。竹村警部は、事件を調べ始めるが、やがて第二、第三の殺人が・・・ 一方、大学教授となっっていた立花の前に野矢優子という不思議な娘が現れる。彼女は戸隠の出身であった。 初期の内田作品の力作である。 ← ランキング参加中(今何位?) 風と雲の郷 別館(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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