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カテゴリ:日々の読書(その他小説)
「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」
「風林火山」といえば、孫子の書に出てくる言葉だが、武田信玄の旗指物に書かれた言葉としても有名である。現在、NHKの大河ドラマで放映されている。 このドラマの原作となったのが、「風林火山」(井上靖:新潮社)である。主人公は、武田の名軍師として知られた山本堪助。異形の男である。決してNHKの大河ドラマに出てくるような男前ではない。 人から好かれるタイプの男ではない。今川では、9年も飼い殺しにされた。今と違って人生50年の時代である。そして、彼自身も人を好きになるタイプの人間ではない。 行流の達人と噂されているが、実際には剣術は習ったこともない。しかし強い。合戦には一度も出たことはない。しかし城を落とす確固たる自身に満ち溢れている。 武田晴信(後の信玄)は彼を直ちに認めた。彼も凛とした晴信を好きになった。運命の出会いである。 勘助は、武田の滅ぼした諏訪の姫・由布も好きになった。彼は、晴信と由布姫の間にできた子を、武田の後継者にすることを夢見る。 この作品は、武田の中で自分の居場所を見出し、武田のために死んでいった男、そんな男の物語である。 夜寝る前に読み始めたら、すっかり面白くなり止められなくなった。次の日が休日だったのでよかった。 ★大河ドラマ「風林火山」の公式HPはこちら ○応援してね。 ●「人気ブログランキング」 ⇒ ●「にほんブログ村」 ⇒ 「風林火山」(井上靖:新潮社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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