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カテゴリ:日々の読書(SF/ファンタジー)
今日紹介する「スカイ・クロラ」(森博嗣:中央公論新社)というのは、ちょっと変わった小説のようである。このシリーズは、全五巻であり、本作品は、その第一作目だ。しかし、時間的な流れから言えば、この作品は、最終章に当たるとのことである。すなわち、しょっぱなに、いきなり、完結編をやってしまっているのだ。もっとも、他の作品も、それぞれが独立した話のようで、一応、どの巻から読んでもよい構成にはなっているとのことではあるのだが。ちなみに、このシリーズの他の作品の題名は、「ナ・バ・テア」、「ダウン・ツ・ヘヴン」、「フラッタ・リンツ・ライフ」、「クレィドゥ・ザ・スカイ」というものだ。残念ながら、他の作品についてはまだ読んでいないのだが。
この「スカイ・クロラ」は、戦闘機乗りのカンナミを主人公とした物語である。彼に絡んでくるのは、彼の上司で元戦闘気乗りの草薙水素という女性。シリーズ全巻を通して登場するキャラだとのことである、この世界では、戦争は、戦闘会社が行っているようだ。カンナミも戦闘会社に所属するパイロットのようである。 物語の方は、カンナミたちが、戦闘機に乗って出撃し、敵機を撃墜する日常を描いたもので、特にヤマのようなものはなく、淡々と話が続いていく。しかし、最後は、意外な急展開を迎える。 この小説に「キルドレ」という言葉が出てくる。遺伝子制御剤の開発の途中で突然生まれ、歳をとらずに永遠に行き続ける人間のことである。カンナミも草薙も「キルドレ」であるらしい。彼らが戦うのは、戦死という死と隣り合わせに生きることによって、自らが人間であることを実感したいのだろうか。それにしても、遺伝子の制御が出来るのに、戦闘機はプロペラ機だというのも、不思議な世界設定である。 2008年夏に映画化されるようだが、果たして、どんな映画になるのだろうか。 ○映画「スカイ・クロラ」の公式HPはこちら ○応援クリックお願いします。 「スカイ・クロラ」(森博嗣:中央公論新社) 風と雲の郷 別館「文理両道」(gooブログ)はこちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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