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ふるさと銀河線沿線応援・地方鉄道応援サイト 七つ星の里

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のんき熊

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2012/05/04
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カテゴリ:カテゴリ未分類

 こんばんは。4月は年度初めで忙しく、結果的に書き込みができませんでした。ごめんなさい。

 去る4月29日に関越自動車道で発生した、ツアーバスによる死傷事故については、既にさまざまな報道がなされています。居眠り運転という運転手のミス、不慣れな行程による走行、日雇い運転手の雇用をはじめとする各種法令違反という運行会社側の問題、1日走行上限時間の規制が緩過ぎるという監督官庁(国土交通省)側の問題等の指摘がなされています。

 私は、ツアーバスを利用したことはありません。利用を考えたこともあったのですが、安過ぎる運賃が、通常の路線運行を行っているバス会社を圧迫する恐れがあること、2007年に大阪、吹田市で起きたツアーバス事故が頭から離れなかったことなどから、結局利用せずに今に至っています。

 本当ならばここで、中長距離の移動、特に夜間は、鉄道へのシフトを考えるべきだと主張したいところです。しかしこの鉄道も、その安全性に疑問を投げかける事態が続いています。昨年5月に、石勝線トンネル内での車両火災事故を起こしたJR北海道と、道内のJR貨物に限っても、火災事故以降、安全に関わる重大事故やミスを続けています。

http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2011/110606-1.pdf

http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2011/110615-1.pdf

http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2012/120301-1.pdf

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120217/dst12021710240003-n1.htm

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/368262.html

 ツアーバスの事故とJRの事故とは、一見共通性がなさそうですが、私は同じ根っこの問題だと思います。ツアーバスの参入激増は、小泉内閣の規制緩和政策から端を発しています。新規参入へのハードルを低くしたお陰で、多数の業者がバス業界に参入しました。運賃は下がりましたが、価格競争の激化で、既存事業者はおろか新規参入業者も、ダンピングと言っていいほどの不当な競争にさらされています。このあおりを受けて、従来内部補填で運営していた既存事業者の不採算路線が、「撤退の自由」を活用して次々と撤退し、公共交通がますます不便になった地域が増えています。JRも、ツアーバスを発端とする低価格競争に巻き込まれ、各地で苦戦を強いられています。(北海道ではツアーバスは普及していませんが、都市間路線バスとは厳しい競争状態にあります。)

 「規制緩和」と言うと、既得権益にすがっている者たちから特権を奪い取り、自分たち「庶民」に対して利益を配分してくれる、はたまたアメリカンドリームのような、裸一貫からのし上がって巨万の富を築く可能性を与えてくれる...といった印象があると思います。

 私は、日本における「規制緩和」や「既得権益批判」を聞いていると、人間が生きていく上で不可欠なコスト...公共交通における安全対策も含まれます...を、誰かに押し付ける構図に見えてしまうのです。もちろん、経済的競争を全否定するつもりはありませんし、競争が地域を活性化させる部分があるのは、紛れもない事実です。しかし、社会的に正しい知識、努力やインスピレーションを越えた部分で何かやらないと成功できないとしたら、それは必要なコストを不当に別の者に押し付ける行為につながることになります。相手を信頼した人たち(乗客)に「死」を以てコストが押し付けられたとしたら。さらに、コストを押し付けられた人たちが、他の人たちに「安いバスに乗る奴が悪い」と言われたとしたら。亡くなられた方々は浮かばれません。

 コストの負担を誰がどのようにするか(税金、運賃等)は、議論の分かれるところです。ただ、必要なコストの負担について誰も目を向けないという社会は、成り立たないし許されるものではありません。もう一点指摘するならば、必要なコストの負担が、新しい需要や雇用や生むという側面があることも、考慮に入れる必要があります。

 今回の事故で亡くなられた方々へ、心から哀悼の意を表したいと思います。






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Last updated  2012/05/05 12:12:08 AM



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