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カテゴリ:沖縄市
![]() (天之岩戸向洞穴) 日本全国に伝わる「天岩戸伝説」は太陽の神であるアマテラス大御神が岩戸に隠れたために世間が真っ暗になったという有名な日本神話です。南国の沖縄県にも「天岩戸伝説」が伝わり伊平屋島の「クマヤ洞窟」が日本最南端の「天岩戸伝説」として知られています。しかし、それよりも更に南に位置する沖縄本島沖縄市にも「天岩戸伝説」が存在し多くの謎に包まれています。 ![]() (八重島地区の墓地群) ![]() (天の岩戸の石碑) 沖縄市八重島地区の墓地群を進むと、その奥地に一本琉球松がそびえる森があります。隆起した琉球石灰岩で覆われた小高い丘には、真の「天岩戸伝説」が伝わる「天之岩戸向洞穴遺跡」が密かに佇んでいます。墓地群を抜けると石碑があり「天の岩戸 艮金神(ウシトラコガネ) 龍神 地上天國 昭和二十七年 十一月十五日誕生」と記されています。 ![]() (琉球石灰岩の洞穴) ![]() (天之岩戸向洞穴) その右手には琉球石灰岩の小さな隙間に暗闇が奥深く続いているが見えます。どれ程の深さがあるのかも予想不可能な暗黒に、思わず吸い込まれそうになる雰囲気を奇妙に醸し出しています。先程の石碑の左側に石段があり昇って行くと開けた空間が現れました。ゴツゴツした琉球石灰岩は緑の苔に覆われ、ガジュマルと亜熱帯植物が生い茂る中に別の石碑と石造りの祠が確認できました。 ![]() (天之岩戸向洞穴の石碑) ![]() (天之岩戸向洞穴の入口) この石碑には「天之岩屋 天之御柱 艮黄金萬神 風水大神 昭和二十七年 十一月十五日誕生」と掘られています。その右奥には大きな穴が開いていて琉球石灰岩の岩間に漆黒の闇が奥深く続いています。石碑の右側には鉄格子が付いた石造りの祠があり、その奥には神秘的な洞穴が続いています。正に、ここが真の日本最南端の「天岩戸伝説」が伝わる「天之岩戸向洞穴遺跡」の闇穴そのものです。私は鉄格子の前で一礼し洞穴内部を覗き込みました。 ![]() (天之岩戸向洞穴の内部) 鉄格子越しに洞穴内部から物凄い勢いで湿った熱波が発生していて、私が掛けていたメガネが一気に曇りました。なぜ洞穴内部から暑い湿気が出てくるのか?今まで何度も様々な洞穴を訪れてきましたが、洞穴入り口から湿った熱を激しく排出する体験は初めてです。暗闇の洞穴奥はウガンジュ(拝所)になっていて「天岩戸の神」が祀られている聖域になっていました。 ![]() (天之岩戸向洞穴の丘) 通常ならば外気よりも涼しい冷気が洞穴内部から吹き出してくるので、この説明し難い現象は「天岩戸の神」が何かしらのパワーを発している証なのでしょう。やはり日本最南端の「天岩戸伝説」は沖縄市八重島の「天之岩戸向洞穴遺跡」に存在している事は間違いなさそうです。洞穴の右手に琉球石灰岩の丘の頂上に向かう通路を発見しました。石段や階段は無く苔が覆う非常に滑りやすい斜面が続いており、足元に気を付けながらゆっくりと登り進み無事に頂上に到達しました。 ![]() (天之岩戸向洞穴の拝所) すると目の前に広大な絶景か広がり、そこは石造りのウコール(香炉)が3基設置されたウガンジュ(拝所)になっていたのです。沖縄市からうるま市、江洲グスクや喜屋武グスク、更に世界遺産の勝連グスクや宮城島まで見渡せる雄大な眺望に目を奪われました。天地海の3神と考えられる3つのウコールは太陽が昇る東を向いていて、私は「太陽の神」であるアマテラス大御神に祈りを捧げました。 ![]() (天之岩戸向洞穴のハブ) ![]() (天之岩戸向洞穴の石碑) 帰宅の途に着こうと来た道を戻ると、ひっくり返り動かない状態の「ハブ」が足元に突然現れました。ハブは非常に驚いた時このように死んだ振りをするそうです。夜行性で猛毒の蛇として恐れられるハブですが、意外にも臆病な生き物で大きな音に怯えて逃げ出すと言われています。「天之岩戸向洞穴遺跡」の洞窟とその真上に位置する絶景の御嶽はまだまだ謎が多い聖地で、遺跡がある沖縄市でさえも詳しい調査が未だになされていません。しかしながら、謎に包まれている事で「天岩戸伝説」がこの地に生き続ける訳であり、科学的に証明されない神秘のロマンがあるからこそ、今後も人々に語り継がれる聖域として存在し続けるのでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.10.28 19:08:37
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