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テーマ:ニュース(99714)
カテゴリ:ニュースから
昨日のNYの飛行機事故。
ニュースで見て凍りつく思いだったんだが、最終的に全員生存確認。 奇跡奇跡とニュースで言うが本当に信じられないような結末だった。 いろんな条件が重なったゆえの結果だったんだろうが、なによりも機長の沈着冷静な判断が素晴らしいと思った。 乗客乗務員合わせて155人。それだけの命を預かって飛行機を飛ばす訳である。プロ意識という物は誰でも努力すれば持てるものなのかもしれないが、生きるか死ぬかの状態の中最後まで自分を失いわずパニックに陥ることなく操縦桿を握るという精神力の強さと言うのは誰にでも持てるものではないんだろう。このベテラン機長は航空機事故調査にかかわったりした経験もあるので特別に事故と言うものに対して冷静に対処できたのかもしれない。『冷静に対処』なんて言っても心中はものすごい葛藤であったのかもしれないが、後のインタビューで誰もが口を揃えて『機長は冷静だった。』と言っている。機内の乗客も口々に『機長の落ち着いた口調で助かるかもしれないと冷静になれた。』と言っていた。 本当にスゴイものだ。 高度が低かったのも良かったのかもしれないと思っていたのだが、コレはどうやら逆のようだ。離陸直後は充分な高度が無いために安全な場所まで辿り着くのが逆に困難になるそうだ。管制官が隣のNJの空港に不時着するよう指示したらしいのだが、結局機長の判断で川に不時着。わずかな残された時間の中で元々少ない選択肢がどんどん減っていく。そんな状態で的確に正しい判断をし、障害物の多いハドソン川に無事に着水。 昼間で視界が良好だったり、都会のど真ん中のハドソン川だったことも幸いである。 すぐに地元の定期便フェリーや消防艇が救助に駆けつけ後部から真冬の冷たい水が浸水してくる中、機長は一番最後に2度も往復し残っている人が居ないか確認してから機外に出たそうだ。着水する時にバランスでも崩していたら翼が引きちぎられてものすごい勢いで浸水していたかもしれない。長時間水の中で救助を待つような事態になっていれば犠牲者が出たかもしれない。機体が沈んでしまったりすれば悲劇は確実に起きていただろう。やはり何度でも言うがこの機長はスゴイ。 機長によると、ダブルバードストライク、2基あるエンジンの両方が鳥が入り込む事によって故障してしまうというアクシデントだったらしいが、これから機体の引き上げが行われエンジンやブラックボックスの調査が進んでこれが証明されたとすればアメリカの航空史上初めてのケースとなるそうだ。片方のエンジンだけなら航行するのは可能らしいが、両方のエンジンが作動しないとなると絶体絶命である。言ってみれば、上空から降りてくるのではなく『うまく落とす』ようなものだ。 それにしても、、。ニュースの中で関連映像として過去のバードストライクによる映像が流れていたが、、。あんな大きな機体でもあんな小さな鳥一羽で全く機能しなくなるというのは怖い限りである。鳥が吸い込まれた瞬間に後ろから火を噴くエンジンの様子を見ていると今まで何度も飛行機に乗っていて今生きてる自分がものすごくラッキーに思えたりする。 これだけテクノロジーが進化しつづけ、航空工学も発展し、人が宇宙にまで行っちゃうのに飛行機が鳥に落とされてしまうのだ。何か手立てはないんだろうか。 ま~~~ったく飛行機のエンジンなんてものには知識のカケラも無いのだが、最初から網状のものでエンジン部分をカバーしていないという事はカバーしてはいけない理由があるという事なのだろうから、ぽっかり空いた口に鳥の侵入を防ぐというのは至難の業である。トンボやチョウチョの大群の中に虫取り網を振り回して入って行って、頼むから網に入ってくれるなという感じだ。 地上での鳥の駆除は各空港付近では行われているそうだが、移動する生き物であるが為に、そして音で威嚇したりなんかしても動物の方が慣れてしまう様で効果の方はイマイチなようだ。 その道のプロの研究者の人々が日夜努力して取り組んでいるのであろうが、より安全に事故の可能性を一つ一つ排除して行って欲しい。 ニュースを見ているうちに元同僚の顔が浮かんだ。 権造の働くサロンの系列ネットワークで北米の東海岸一手のマネージメントを任されていたスゴ腕だったんだが、彼女は飛行機が大の苦手でペイは良いが出張の多いそのポジションを自ら辞めて出張のない一店舗のマネージャーになった。東海岸全域のマネージメントをやってた頃は結婚した後で、夫をマイアミに残して出張に出かける度に飛行機の中でパニックアタックを起こし、医者から処方された安定剤を飲んで無理にあちこち飛んでいたらしい。銀行の貸金庫の中には毎年書き換える遺書をいつも入れていると言っていた。彼女の場合、かなり度合いがひどすぎると思うものの、飛行機に乗るのが怖いという人は結構多いだろう。 権造も飛行機は苦手である。 お客さんで出張の多いビジネスマンの話を聞くと飛行機に乗る頻度がハンパではなく、自動車と同じ感覚だよ、という人も居るのだが、権造のように最低年一回という中途半端な頻度の場合、やっぱり『慣れる』という領域に達するのは難しく、未だに飛行機に乗るとちょっと揺れたりしただけで手に汗かいたりするものだ。 元々乗り物全般が苦手な中、地に足のつかない船と飛行機は大嫌いで、飛行機は酔う事は無くなったものの、怖い事には変わりは無い。帰国の場合、飛行機じゃないと行けないので選択の余地が無いからしょうがないものの、もし片道1週間のドライブで行けるとしたら車で行ってしまうかもしれない。 今まで幸い実際に事故に遭った経験はないのだが、一番怖かったのはLAに居たころ帰国した時である。帰りの飛行機が空港で待っても待っても飛ばない。結局4時間ほど待たされて『今日は飛ばないのでホテルに案内する』と大した理由の説明も無くホテルに案内され、不安な気持ちで一夜を過ごし、次の日再び空港へ。予定よりやはり大幅に遅れてやっと乗り込んでいく乗客をよそに、コックピットでは椅子を全部とっぱらってまだ火花を散らしてなにやらやっている。なんで修理が全て終わってから乗せないんだろうと未だに疑問に思うが、座ってからその後さらに2時間弱待たされてやっと離陸のOKが出たとアナウンスがあった頃、ふと隣のビジネスマンのおじさんを見ると手帳になにやら一生懸命書き込んでいる。あまりに真剣な表情で、つい覗き見してしまったら遺書である。 思わず、『あの、、スミマセン。ちょっと見えちゃったんですけど遺書ですか。』と声を掛けるとはやり真剣な表情で『いや、飛行機にはよく乗るんだけどね。今回みたいにコックピットの整備だか修理だかの最中に乗せられるって事はないんでね。念のためにね。』と返ってきた。途端に今まで待たされてイライラしてた気持ちが一気に恐怖へと変わり、どうしようか悩んだ挙句に権造も隣で遺書を書き始めた。 この時のフライトは恐怖のフライトに他ならず、他の乗客もどんよりとした恐怖感に襲われていたようで、ちょっと揺れるだけでアチコチから叫び声が。更に太平洋上で生まれて初めて経験したエアポケットに遭遇。それほど大したものでは無かったんだろうが、ストーンと一気に落ちる感じは今でも忘れられず、思わず隣のおじさんにしがみ付いた。無事にポートランドに着陸した時には乗客全員拍手と狂喜の声を挙げる。あれは本当に怖かった。 バハマに作造と行った時には小型セスナで、チェックインするときに体重を聞かれた。少し前に並んでいた観光客のカップルなんかは英語が分からずに返答に窮していると、従業員に荷物の重さを測るチェックインカウンターの所の測りに載せられていた。10人乗りくらいのセスナに8人乗り込み、体重のバランスの関係上作造とは離れた席へ。もちろんトイレなどあるはずも無く、『飲み物は出ないからヨロシクね。』と副操縦士が軽く一言し、セスナのタラップを引っ張って上げようとするが隙間が空いてうまく閉まらない。なんどかバンバンやってみるが隙間は埋まらず結局毛布を隙間に突っ込んでそれでオッケーらしい。操縦席のドアも開けっ放し。テロの後はおそらくどんな小さなセスナであろうがドアはちゃんと閉めるのであろうが、操縦席の様子が見えるのはおもしろかったものの、窓から外を覗いてみるとハタハタと風にたなびく毛布の端っこが見えるのはやはりとても怖かった。だが、やっぱり大型旅客機に比べると、海面が常に間近に見えるセスナのフライトおというのはなんだか暢気で恐怖感で比べるとかなり小粒であった。 昨日の事故機の機長は一夜にして英雄になった。 なってしかるべき達人だと思う。すでにあちこちファンクラブのサイトなんかも出来ているようであるが、テレビでまだ一度も機長の会見と言うかインタビューを見てないのでどんな人なのか見てみたい。 フェリーで救助に向かった民間の人達、NYPDやNYFDの人達、怪我人を受け入れた搬送先の病院の人達、この飛行機に乗務していた人達、みんなその道のプロが立派に仕事をしたおかげで全員救出。 事故自体は不幸なアクシデントであり、乗っていた乗客には心から同情するが、とにかく全員無事でよかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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