のらりくらりと行きたい

日本は朝なのでこの時間にこの内容はどうかと思いつつ、、。

本日はちょっと生々しい話なんだが、他に書くべきネタも思いつかず。
ま、サラッと流して欲しい。

仕事が休みの今日、午前中に某サイトのニュースなんかを見ていた。そのなかに『彼女に【避妊】の話をするなら…どう切り出せばよい？』というタイトルのコラムがあったんだが、その中に載っていた某新聞社が既婚女性に行ったアンケート『全国家族計画世論調査』なるものでは避妊方法としてこんな答が出たらしい。
コンドーム着用　　　　７５．３％
膣外○精　　　　　　　２６．６％（医学的には避妊とは呼べないらしい）
IUD使用　　　　　　　　２．７％
ピル使用　　　　　　　　１．５％
オギノ式　　　　　　　　６．５％
（↑膣外○○の部分、言葉そのまま書いたらNGワードに引っかかってアップできなかったので修正）
足すと１００％超えちゃうのは複数併用してる人が居るからなのだが、ゴム装着が圧倒的である。
コレは既婚女性が対象なんだが、未婚カップルや学生なんかは全く別の答になりそうだ。

権造のお客さんで今は大学に通っている女の子が居る。遠くの州の大学に入ったので年に何度か帰省したときに来てくれるんだが、彼女が高校生の時に一度相談された事がある。
彼氏がちゃんと避妊をしてくれなくっていつも心配なんだが、どうしたらいいのか、という事だった。
ブローしながらドライヤーの音に負けない大声でする話でもなく、丁度そのあと時間があったので店の外のベンチに座って話を聞いていた。
彼女としてはゴム装着を希望してるんだが、なかなか自分の方からは言い出しづらい。以前にいざその時になり思い切って言ってみたんだが彼氏の方が興醒めして『ちぇ～～。なんだよ。』とさっさと帰ってしまったらしい。その後も彼氏は避妊のヒの字も無く、ヤバイと思った日には彼女の方が生理だとか何だとか口実を作って彼氏を傷つけないように本人がもっと傷つきながらお断りしてるらしい。
今の権造だったらその時点でアホ彼氏はドブにでも流してしまいなさい、と言いたいところだが、若い頃はみんな同じ事を考える。気持ちは充分に判る気がする。
どうしたらいいと思う？と言うので、
そんなアホ彼氏でも好きなんだったらちゃんと伝えてみてはどうか。子供が出来たらどうしようという恐怖感に毎回襲われながらそういう事を続ける事自体良くないし、将来それが理由で彼氏自体が嫌いになる恐れがある。その年できちんと考えるのは大事な事であり、何よりも望まない子供が出来てしまうというのは悲劇である。その場になってから『ちょっと待った！』だと出すもの出しづらく彼氏も必要以上のネガティブ思考になるだろうから、普段アツアツムードでゆっくり話が出来そうな時か、直接顔見て言いづらかったら手紙にでも書いて渡してみたらどうだ？
と月並みだがオトナな意見を言ってみた。結局、彼女は手紙の方法を選び、アホ彼氏がちゃんと納得したかどうかは分からないがとりあえず避妊をするようになったらしい。

ママには相談してみたのかと権造が聞くと、ムリムリムリーーーっ！！と即答してきた。
こっちの親子関係は日本のそれよりもオープンなのかと思っていたが、やっぱりこの手の話題は多感な年頃の子供にとっては言いづらいらしい。
友達に相談したが、『そんな彼氏別れちゃいなよ。』と『え～～？？私、いつも使わないけど？？』が半々だったらしい。権造なんかは、会えばアレコレ話はするものの、普段周りにいて直接物事に関わっている訳ではない。部外者というものはこういうときに話しやすいらしい。

権造の他のお客さんで高校生の娘を持つ親もある日娘の部屋でコンドームを見つけて衝撃が走ったらしい。パパに言うと寿命が半減してしまいそうで黙っていて娘には『ああいうものはもうちょっと目に付かない所にしまいなさい。』と注意したらしいんだが、複雑な思いをしたそうだ。

権造世代の場合、たとえば高校生の頃の権造が母造に『彼氏が装着拒むんだけど、どーしようかね？？』なんて言ってみようものなら、母造はショックで寝込むか鋼鉄製とか鍵付きのミサオパンツでも権造に履かせそうな勢いである。今でも殆ど変わらないんだろうが、小さい頃なんかは適当に流してたテレビで一家団欒中にキスシーンなんかが出てくると親は無言でチャンネルチェンジしたし、権造が子供の頃見てたベルバラでもオスカルがアンドレとキスしちゃった時には続きが見たいと思いながらもこっそりチャンネルチェンジした。身内というのは一番身近に居ながらこの手の話題になると一番遠くに行ってしまうやっかいな存在である。

小学校の5年だったか6年ごろに初めて（そして最後？）の性教育の時間があった。
ある日突然（親に通達が行ってたのかどうか知らないが）違う時間に女子と男子が別々に体育館に集合させられ、窓という窓に黒カーテンが降りて真っ暗な中、保健の先生が『今から映画を見ます。』と言い、おもむろに変な映画が始まった。
オトコとオンナのあの部分の図解と子供が出来る仕組みをこの上なく省略して見せて、全く見るほうの感情などお構い無しに肝心の部分は何も伝えない映画。性教育というよりは生物の時間みたいだったのは覚えている。
映画後の保健の先生にいたっては全身で『質問なんか間違ってもしてくれてはいけません』オーラを発し、プリントに書いてある必要事項だけ読みあげてさっさとおしまい。
外から覗かれないように、の意味もあったであろう暗闇の中でまるで関わるのが間違っているようなタブーに触れてしまった時間のような性教育の時間。チビ心に、これはイケナイ行為なんだ、と思ったチビも意外と居たのかもしれない。

中学生になると、通学路の裏山なんかに捨ててあるエロ雑誌を男子が覗いてはウホーーー！！スゲーーーー！！と大騒ぎし、結局全く親や先生を始めとするオトナの指導は皆無に子供達はその手の知識を勝手に身につけていった。

こちらの子供達はというと実際権造はまだまだチビがその年齢に達してないので分からないが、10歳くらいの子供を持つお客さんから聞いてみると大体その年齢で性教育なるものの指針が学校から親に伝えられるらしい。学校でボチボチ始めますから家でもちゃんと話してください、と言われるそうだ。まだまだ早い気もするし、ヘタに早いうちから知恵をつけちゃうと益々この手の低年齢化が進む気もするんだが、どうやら教育上の指針はこの年齢辺りを適齢と考えているようだ。

ウチは普段からベッタリ派で、風呂もチビと3人で入る。女同士という事もあり、もも造なんかは権造と自分の体の違いなんかはキャーキャー騒ぎながら指摘してくる。ここ造出産の時はさすがに3歳には怖いだろうと思い、直前に作造に分娩室から連れ出してもらったのだが、権造のデカイお腹はなんとなく覚えているようで、もも造とここ造はドコから出てきたのか？と聞かれたこともある。
なので、一応簡潔に、
人間の体には口、鼻、耳と3つ入り口があり、女性の場合は出口も３つ存在している。入り口がわりと固まって存在するように出口もあの辺りに密集している。１つは小、１つは大、もう１つは赤ちゃんの出口になっている。
と説明した。なんで３つも出口があるのかと言うので１つだったら折角の赤ちゃんがかなり汚くなるだろうが、と言うと妙に納得。赤ちゃんというものはすでに小さい時から自分の体内にも極小単位で存在すると思っているらしい。もも造は将来3人産むそうで、お腹に居る3人のミニミニサイズの赤ちゃんはもも造が大きくなって大きなお腹が似合うようになったら段々と順番に大きくなっていくと思っているようだ。なんで作造は赤ちゃんを産まないのか、というので、オトコは邪魔なものがあの辺りにくっついているからアレが邪魔になって使わないから出口が無くなっちゃったんだ、とものすごく適当な説明をした。

ちなみにオトナの女性には月に一度襲ってくる『サメに食われやすい週』がある。
ウチのチビらは権造がトイレの鍵をかけるのを何よりも嫌っており、最もプライベートな瞬間にも容赦なく乱入してくる。サメ週間の時なんかは現場の光景に直面し、最初の頃は対応に追われたんだが、今は勝手に入ってくるので勝手に見学していただく事にしている。ここ造なんかは権造は定期的に大怪我すると信じてやまないようで、現場に直面すると『お～～～ま～～いご～～～っど！！』と大慌てでバンドエードやらここ造のオムツやらを持っては走って来てくれていた。権造は実はPMSにずっと悩まされていたのでサメ週間開始のきっちり2日前にはひどい頭痛とイライラでチビがスプーンや箸を落っことすだけで怒鳴り散らして居たんだが、コレではあまりにもチビが不憫でもも造にはきちんと説明した。サメ週間の意味やら仕組み、PMSのイライラは自分ではコントロール出来ないことなどをなるべく分かりやすく伝え、この2日前の時だけはもも造もここ造も何も悪い事はしてないので、申し訳ないけど、と謝っておく。今ではちゃんとケアしているので嘘のように楽になったんだが、時たま襲ってくるイライラ時にも、もも造はここ造に、ドントワーリー。マミーはもうすぐ血が流れてくるだけだ、と恐ろしい慰め方をしてくれている。
要はきちんと説明してあげる、という事なんだ、と思った。

チビ達がだんだん大きくなってきて、ちゃんと性教育すべき時期になったら丁寧に分かるまで説明できるようになりたい。我が子に教えるのは難しいし言いづらいような気がするが、避妊と言うのは『出来ちゃったらどうしよう』とか『病気とか移ったらどうしよう』とかの不安要素の為にするものではなく、ちゃんと相手との関係を円満に保つための手段であり、自分の体を健康に保つための手段であることを伝えたい。
な～んて言ってみても、おそらくいつか初めてチビの部屋から避妊用具なんかを発見しちゃった時には愕然とするのは確信しているし、作造なんかは昔たくさんオンナを泣かしてきた罰なんだろうと懺悔するかもしれない。
彼氏とデートに出かける娘にゴムを渡して、『よ～～っしゃ！気合入れていって来いっ！』と背中をバンと叩いて送り出す親にはなりたくない気がするが、見て見ぬ振りや知らない振りをするよりはどちらかと言うとやっぱりこっち寄りで居たいと思う。

要らない子供を妊娠しちゃってどうしていいか分からずに何も出来ないまま産んでしまい、結局殺したり捨てちゃったりするのは、その人を取り巻く環境がどうであれやっぱり罪である。
今の性教育ってものがどんなものなのか知らないが、性器の図解なんかを見せるまでも無く今の年代の子供は情報に溢れる世界で暮らしており、そんな事はとっくに知っている。
それよりは写真なんかじゃなく動画で出産シーンなんかを見たりして実際に生まれたての赤ちゃんの声を聞いたりして、命が誕生するという事を少しでも理解しておいた方がいいと思う。

このコラムでは『彼女に面と向かって避妊の話は言いづらい』という男性意見に対して『女性は常に出来たらどうしよう、というのが頭にあるから男性と話し合いたいと思う女性はおおいはず』と書いてあった。どっちも言いづらいが話したいのならどっちかが勇気を出して話してみて、それは前向きな話し合いなんだという事をお互いちゃんと理解できればそれが理想だな、と思う。