コロナにライム。
最近のどうも上手く行かない状況を何とか打破すべく、飲みに行った。しかも一人で行こうと思った、一人も良い物だと友人に勧められたので・・・はじめはお気に入りのパブに行こうと思った。車では行けない(飲むんだから行けなくて良いのだが・・・)テムズ川沿いにある感じの良いパブだ。そのパブまではフットパスと言っていわゆる私有地を通らせてもらって行くのだがこういう時に限って・・・そう約2週間工事が行われていている最中で通れなかったのだって事はそこまでたどり着けないのである。行くとすれば、すうううううごい遠回りか個人所有の船で行くしかない。(そんなお金が何処にある!)当然諦めた、本当についていない。仕方なくと言うよりも、以前から行ってみたかったメキシコ料理屋へ行き先を変えた。その店は「POCO LOCO」と言う名で割りとこじんまりした店だ。まだ家が決まっていない頃、もう3年前になるがこの店になる前の店へ入ったその時は当然食事がしたかったので「食事、出来ますか?」とアムロ並みに恐る恐る聞いてみた。答えはNO!・・・なに言っているの?できるわけないしょ?みたいな顔をされた。駐在して早々、その店には良いイメージがなかった。しかしオーナーが変わり去年、食事が常に出来るメキシコ料理店になったのだ。とは言えハモンさんは居ないが・・・。店に入ると既に来ていた客は1組、そりゃそうだ、まだ7時前。今日はうあああああって言う勢いで思い切って、会社を後にして来たのだ。平均夕食開始時間が8時の国じゃ、7時前の店内はガラガラで当然だ。入ってすぐに聞いた。「メキシカンビールはあるか?」もちろんコロナを頼んだ。若い頃たまに有名な三宿のゼストでコロナを飲んだものだ、懐かしい。一つ試してみたい事があった。日本で頼むコロナビールは100%って位ライムがビンの口に引っかかった状態で出てくる。世界中何処でもこのスタイルは変わらないのだろうか?運ばれてきたそれは見事!良く見慣れた状態、ライムが刺さって出て来たのだ。納得。これはきっと本場メキシコもこうして出すんだろうな。メキシコ料理といえば、ナチョスやタコスなどがもちろん有名だろうが今日の自分は違った、日頃のストレスからか?とにかく変だった。かなりやけになっていた、ワイルド?だった、勢いがあった。「サーロインメキシカーナをミディアムで!」<Sirloin Mexicana> Sirloin Steak marinated in Chef's Special Sauce, with Chillies and Herbs, Char Grilled and served on a Hot Sizzling Skillet with Onion Rings and accompanied with French Fries.聞いたことがなかった、サーロインメキシカーナ。もちろんメキシコ人だってステーキ位は食べるだろう、でもイメージできなかった。日本で言うとデニーズにある様な「和風ステーキ」みたいな感じか?ますます興味が出てきた。出てきたそれは思いのほかメキシカーナではなく、なんかアメリカーナだった。意気消沈でそれを頂き、満足しかけた頃テーブルの上に置かれたドリンクのメニューに気付いた。ふと見たそのメニューにはまたしても魅惑のチキルーム的なメニューが存在したのだ。今日の自分は違った、いつもなら読んで終わりだっただろう。バーのオヤジと目が合った瞬間口が動いていた、自分でも恐ろしかった「チリテキーラを一杯くれ!」(くれなんて言っていないけど。下さいか。)その名前からは想像できないテイストをご紹介しよう。内容物は以下の通り<Chilli Tequila>Tequila, Chilli, Champagne & Lemonadeなぜ入れる!そんな物を!と言いたくなるような内容物。し、しかしこれが意外といけるのだ。体が中から温まる感じ、あとから来る辛さとテキーラの甘さ。もともテキーラは好きだった。日本でも良く頂いていた、ゴールドとシルバーがあるのも日本で知った。食事が割る頃、お世辞にも綺麗とは言えないが、感じの良いウエイトレスが聞いてきた。「Puddingはいりますか?」?プリンなんてメニューになかったよ・・・確か。「Puddingってどういう意味?」って思わす聞いた、彼女いわくデザートの事だそうだ。帰って辞書を引いたのだが、そんな使い方は書いていない。方言かなんかかだろうか?そんな質問をしたら、何処から来たの?って聞かれた。日本と答えると・・・「日本人なの?!兄が大阪に住んでいるわよ。」なんて言って来た、世の中は狭い物だ。本当に。結局そんな会話をしたばっかりに、苦しい腹に相談もせずそのPuddingとコーヒーのオーダーをした。<Helados Mexicanos>Chocolate, Vanilla or Strawberry Ice Cream topped with Nuts,Chocolate Sauce and a dash of Kahlua.<Irish>Irish Whisky and Coffee topped with Whipped Cream.もう限界である、果たして無事に帰れるだろうか?かなり苦しい、そろそろチェックして帰ろう・・・そう思った時、年の頃なら60項半のオヤジが近寄って来た。「オーナーです。」聞いてないよ、それに呼んでないよ、シェフを呼べなんて言ってないよ。彼は言った、「お食事はいかがでしたか?」あんまり美味しくなかったよ。それにメキシカーナじゃないね、なんていえないでしょ?もちろんこう言った。社交辞令にも程がある。「最高です、気に入りました。また来ます。」きっと彼はさっきのウエイトレスから聞いたのだろう。「私は日本に行った事があります。えええええと、コービ。」いや、そりゃ神戸だろう。「ああ、神戸ステーキ食べた?」「おう!いただきました。あれは最高でした。」「あと、・・・・キュートに行きました。」そりゃかわいいね、じゃなくて京都でしょ?「とても綺麗だった・・・。」なんか英語の教科書に出てくるような会話をこなしたとたん急に話は経済関係に・・・「日本はデフレだと聞きました、最近はどうですか?」「以前よりは良くなって来たと思いますが、まだまだ景気はまだまだ回復していないようです。」またまた、「すぐに使える!ビジネス英語」なんて本に出てきそうな会話をし終えたら急に「日本は昔、世界中の高価な物を買いあさっていたのにね、どうしたんだい?」といやみを言われた。「・・・・あ、あれはミステイクです。」と答えておいた。全てがそうだとは言わない、しかしそういう風に思われても仕方ない。維持できなきゃ、そう思われても仕方ない・・・その後彼はこう続けた。「Funnyな話があります。昔BBCに勤めていた頃の話です。」いったいこのオヤジ何者?「アジアのドキュメントと撮ると言う企画で、日本のTV局の方とロンドンのレストランで打ち合わせをしました。私の相棒は大酒のみでしたが、日本人は礼儀正しく食事の席とは言え会議となればお酒は注文しないと思うから、お前も水にして置けよ。と忠告しておきました。」この時点で落ちはわかった、後はどこで笑うのがベストかを考えていた。「一通り挨拶が終わり、飲み物を注文する際に私と相棒はスティルウォーターを注文したんです。でその日本人の方に、何を飲まれますか?と聞いたら、彼はブラックビール、いわゆるギネスが飲みたいって言ったんだよ。面白いだろ?」・・・いや面白くない、それでも小粋な小話かなんかのつもりか?コレだから英国ギャグはつらい。理解できても笑えない。気付くと一人で35ポンドも注文してしまった。大出費だったが、こうして面白い経験が出来たので良しとしよう。そのオヤジに挨拶を済ませその店を出たのだった。今日の近所の景色20