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★もう一度の春



            ―もう一度の春―

            もういちど、 春に会えたら
            夏の花を植えて、待ったりはしない
            わたしはすぐに、クローカスを咲かす
            葉のない、ピンクのメジリオン
            冷たい葉脈のスノードロップ、もっとすてきな
            しろか空いろヴァイオレット
            葉にくるまったプリムローズ、なんでも
            おくれず、すぐに咲くものを

            もういちど、春に会えたら
            わたしは昼の小鳥を聞こう
            巣づくり、つがい、さえずる小鳥を
            相手のいな、ナイチンゲールを待たず
            元気な牛の啼声を聞こう
            まっ白な子供を連れた雌牛も、
            藪の中に、吹く風のすべてに
            歌の調べを見出だそう

            もしも、もういちど、春に会えたら―
            ああ、わたしの過去を突き刺す言葉
            過去がみな、「もしも」で終わるなんて―
            もしか、もういちど、春に会えたら
            今日という、その日を笑おう、束の間の今日を
            何も、もう、待ったりせずに、
            短い命の、今日を生きよう
            今日こそ楽しみ、そして歌おう


            (Christina Rossetti)

            ※(純愛の詩人・クリスティ―ナ・ロセッティ・岡田忠軒・南雲堂)より





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