イギリスで見つけた小さな幸せ

カリブの島、バルバドスでの夫の旅公演から無事に戻ると
とっても残念な訃報が待っていた。
日本にいる私が飼っていた猫のジュリアの死だった。
ジュリアは11年前に友人に拾われた生まれたばかりの小さな子猫で
飼い主を求めて我が家にやってきた。
我が家の猫の歴史上、白黒の猫は初めて、そしてやたらに
噛み付いたり引っかいたりする気の強いメス猫も初めてだった。
神経質でデリケートだったけれどとっても美人で賢い猫でもあった。
人間の使うトイレで上手にオシッコをすることを覚えた時は
ビデオに撮ってテレビに投稿したいくらいだった。
日本を離れるまでの８年間、ともに過ごした時間は泣いたり笑ったり
時々腹が立つこもあったけどとにかく着かず離れずの距離で
自然な存在だった。ジュリアの存在にどんなに癒されたことか・・・。
日本の母が最後までジュリアを看病し見守ってくれたことは感謝したい。

またひとつの「死」という別れに立ち会うことができなかった。
でも私の思いが伝わったのか不思議なことが起きた。
私の住むフラットの１階の家族の飼い猫はまるでジュリアのような
白黒の猫。でも今まで一度として触れることはなかった。
私が近づくとものすごい勢いで家の中に逃げ帰る。
ところがジュリアの訃報を受けた翌日にその猫に外で出会ったとき
初めて私のところに近寄ってきて私に頭をなでさせ、地面にゴロゴロと
転がって見せたり、じゃれついてきたり・・その猫の表情の中に私は
ジュリアを見た。うーん、これはジュリアがこの猫を通して
私に会いに来てくれたんだぁと思った。

短い人生だったけれど彼女の存在はこれからも
私や母の心の中で生き続けていく。



次回は初めてのバルバドスの旅を報告したい。