疲れ果てている割りには軽い足取りでB&Bまで崖を上りきった私達は
事前にエドさんに言われた通りに、一言も口を開かず無言のまま
シャワーを浴び、全裸の上にエドさんプレゼントのパレオを巻き
二階のロミロミルームに静かに向かった。
二階は薄暗い空間にマッサージベッドが三つ。
隅に椅子が三つとフットバス用の大きな洗面器が置かれている。
そこには、エドさんが頼んで来てくださったプロのロミロミセラピスト
(白人の女性2人・男性1人)が3人静かに立っていた。
セラピスト1人10分ずつ合計30分、ロミロミを受けると言われていた。
「本場の本物のロミロミを体験出来る!なんとありがたい!
どんなふうにするのかしっかり身体で受け止めたい!」
そんな期待でいっぱいだった。
私は20代と思える男性セラピストに椅子に座るよう促された。
静かに座ると彼は洗面器にカウアイ島の特別な赤い塩を入れ
お湯を注ぎ優しく足を洗い拭いてくれ、そして私の手をゆっくりとひき、ベッドへ。。。
ベッドにうつぶせになると、腰までパレオを下ろしロミロミが始まった。
暖かい海の中で揉まれているような感覚。。痛いことは一つもなかった。
男性が行っているとは思えないほど、とても優しい情愛が伝わってきた。
きっと優しい男性なのだろうなぁ。。
「そうか。。。手から全ては伝わるのだな。。。
わかっているようでわかってなかったんだなぁ。。。
ベッドに無防備で横たわっている大切な相手に
今まで以上にもっともっと愛情を込めてロミロミしよう。。。」
10分後、上下黒い服の女性にチェンジした。
驚いた!とても男性的でパワフルでダイナミック!上手い!
身体の奥深くまで響いてくるようなロミロミをする。
痛いけど気持ちがいい。。素晴らしい!なんてスケールの大きな方なんだろうと思った。こんなセラピストになりたいと思った。
10分後、今度は小柄でスレンダーな上下白い服の女性にチェンジした。
とてもリズミカルで力強い。ただ、痩せているせいか
彼女のひじの骨が度々あたって快感とはならない。
そして乗って欲しくない私の骨の部分に度々当たって痛い。
「そうか。ロミロミする技術の方に集中してしまって
ベッドの前の大切なボディにしっかり意識を向けて見ていないと
それは自己完結なロミロミになってしまう。
私も自分勝手なロミロミにならないよう心してゆこう。」
やがて夢のようなロミロミは終わり
ボォーッとしながらパレオを巻き、部屋の隅に座った。
目の前では次々にロミロミが繰り広げられてゆく。
一人ひとり、ロミロミの内容は違っていた。
その人の状態によって違うロミロミが行われていた。
みな裸なのでパレオを上にかけていても、時々バストが見えたりした。
でもちっとも気にならなかった。
やがて外も暗くなりロウソクに火がつけられ、静かな音楽とゆらめく炎
無言で続けられるロミロミ。。。私は頭も身体も心もとろけてしまいながら、目の前に繰り広げられる世界に見入っていた。
続く。。。