テーマ:母のこと(46)
カテゴリ:記憶
昨日作ったカレーを温めなおしていて、ふと思い出した。
子供の頃のこと。 風邪などで体調を崩した時、カレーなら食べれた。そう母に言ってからは、体調を崩すと、何も言わなくても夕ごはんはカレーだった。 そんなことを主人に話して、ハッとした。 「そうや、そうなんや。今日、おかあさんの命日でさ」 主人が驚いた顔をした。 「こんな話をできて、良かったんかもしれん。あんなでも一応、私の実の母親やし」 主人は笑った。 人を嫌う時は、その人のネガティブな事柄ばかりを想起する。そうやって、嫌う自分を肯定する。 その記憶は、今、自分で創り出しているものに過ぎない。 人を好きになる時は、その人の事柄の全てをポジティブに捉える。アバタもエクボになる。だから好きなんだと自分を納得させ、好きは一層加速する。 その認知は、今、自分で創り出しているものに過ぎない。 今日は母の命日だと主人に言うつもりは微塵もなかった。 母の記憶はネガティブな事柄ばかり。思い出しても苛立つばかりだし、思い出したくもない。 もう何年もずっとこうだった。 今までのそんなフェイズから、次のフェイズに上がれたから、ポジティブな事柄を想起できたのだろう。 ポジティブな事柄を少しばかり想起した所で、自分が揺るぐことはもうない。 虐待された過去は、無くなることも変わることも未来永劫ない。その現実を否認しない。 だけれど、憎しみや恨み辛み以外の何かも、あるにはあったのだ。 こんな日が、いつかは来るのだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023/05/13 10:29:48 PM
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