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楽天・日記 by はやし浩司

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2009年02月08日
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カテゴリ:育児問題
あなたのご主人は、どちらの大学ですか?
学歴に興奮する親たち(失敗危険度★★★★)

●おもしろい習性(失礼!)
 親というのは、自分で自分の子どもをバカと呼ぶのは平気だが、しかし他人に言われるのを許さない。それはそうだが、それと同じように、自分の子どもが評価される場に落とされると、独特の心理状態になる。動物的な嫉妬心や闘争心が刺激されるらしい。

その一つ、親、とくに母親は、学歴の話になると、興奮状態になる。これは親が共通してもつ習性(?)ではないか。夫の学歴、自分の学歴、さらに子どもの学歴となると、興奮状態になる。なぜそうなのかということは、別として、これをうまく利用して、金儲けにつなげている人たちがいる。いわゆる受験屋と呼ばれる人たちである。

●ある教育機器メーカーの戦略
 ある教育機器メーカーの説明会でのこと。私も興味があったので、招待状をもって、その会にでかけた。予定では九時三〇分に始まるということだったが、行ってきると、黒板に、「一〇時から」と書いてあった。そこでしばらく待っていると、うしろのほうからヒソヒソ話が聞こえてきた。サクラである。主催者の教育機器メーカーが送り込んだサクラである。

耳を傾けると、「あなたのご主人は、どちらの大学ですか?」「あなたのお子さんは、将来、公立、それとも私立?」と。とたん、会場の中におかしな緊張感が漂い始めた。しかしそれこそまさに、その会社のねらいである。サクラが、「あの中学はむずかしいそうよ」「進学塾では役にたたないそうよ」と言い出した……。

●親たちは興奮状態に!
 それに拍車をかけるように、一〇時からの説明会では、まずビデオが映し出された。N研という東京の進学塾が制作したビデオだが、子どもの受験勉強の様子、受験会場に行く様子、受験しているときの様子、そして合否発表の様子がつぎつぎと映し出された。意味のないビデオだが、しかし合否発表のところでは、受験に落ちて、泣き崩れる母親や子どもの姿が、これでもかこれでもかとつづいた。時間にすれば、約一〇分間程度だったが、会場がますます異様な雰囲気になるのがわかった。しかしそれこそがまさにその会社のねらいでもあった。

 やがてその会社の教育機器の説明会が始まり、それが終わると同時に、ワンセット二四万円もする教材が、飛ぶように売れていた。驚いたというより、それはあきれんばかりの光景だった。


はやし浩司+++++++++++++++++Hiroshi Hayashi

近所に人に息子の制服をみられたくナ~イ!
見え、メンツ、世間体(失敗危険度★★★★★)

●家庭教育の元凶
 見え、メンツ、それに世間体。どれも同じようなものだが、この三つが家庭教育をゆがめる。裏を返せば、この三つから解放されたら、家庭教育にまつわるほとんどの悩みは解消する。

まず(1)見え。「このH市では出身高校で人物は評価されます」と、断言した母親がいた。「だからどうしてもうちの子はA高校に入ってもらわねば、困ります」と。しかし見えにこだわると、親も苦しむが、それ以上に、子どもも苦しむ。
 
つぎに(2)メンツ。ある母親は中学校での進学校別懇談会には、「恥ずかしいから」と、一度も顔を出さなかった。また別の母親は、子どもが高校へ入学してからというもの、毎朝、自動車で送り迎えしていた。「近所の人に、子どもの制服を見られたくないから」というのが、その理由だった。また駅の近くの親戚の家で、毎朝、制服に着がえてから、通学していた子どももいた。が、こういう姿勢は子どもの自尊心を傷つける。
 
最後に(3)世間体。見えやメンツにこだわる親は、やがて世間体をとりつくろうようになる。「どうしてもうちの子どもにはA高校を受験してもらいます」と言った親がいた。私が「無理だと思いますが」と言うと、「一応、そういうところを受験して、すべったという形を作っておきたいのです」と。不登校児になった子どもを、親戚の叔父に預けてしまった親すらいた。こうした親は何とか「形」だけは整えようとするわけだが、ここから多くの悲喜劇が生まれる。私のような立場の人間が、「世間は、あなたのことを、そんなに気にしていませんよ」と言っても、ムダ。このタイプの親は、世界は自分を中心にして回っているかのように錯覚している。あるいは世界中が自分に注目しているようかのように錯覚している。

●「しかたないので、C中学にしました」
 見えやメンツ、それに世間体を気にするということは、結局は自分を飾るということ。そういう親には共通点がある。自分の周囲をウソで塗りかためる。たとえば……。

「私はどこの中学でもいいと思っているのですが、息子がどうしてもA中学と言いますので、先生、息子の願いをかなえてあげてください」と。そこでその息子にそれとなく聞くと、「ぼくはどこでもいいけど、ママがそうしてもA中学にしろと言ってうるさい」と。あるいは「学校の先生はB中学でも合格できると言っているのですが、息子はどうしてもC中学のほうがいいと言って私の言うことを聞きません。しかたないので、C中学にしました」と。このときも息子に聞くと、「先生がB中学は無理だと言ったので、C中学にした」と。さらにこんな例もある。
 
Tさん親子の間には、息子が中学生になるころから、会話という会話はほとんどなかった。食事も別々、廊下ですれ違っても目をそむけあう。どんな会話をしても、すべて一触即発。そんな関係であるにもかかわらず、Tさん(四五歳女性)は、ことあるごとにその息子が東京のT理科大学に入学したことを自慢していた。「猛勉強をしてくれたおかげで、T理科大学に入ってくれましてね」と。Tさんの家の居間には、息子の卒業証書が高々とかかげられている。もちろん息子はほとんど家には帰っていないのだが……。

●私は私、人は人という人生観
他人の目の中で生きれば生きるほど、結局は「自分」を犠牲にすることになる。が、これほどつまらない人生もない。自分の人生をドブへ捨てるようなもの。しかしそれは同時に、他人の目から見ても、それほど見苦しい人生はない。笑うとか笑われるとかいうことになれば、そのほうが笑われる。皮肉といえば、これほど皮肉なことはない。

この見えやメンツ。それに世間体と闘う方法があるとすれば、それは「私は私、人は人」という、人生観をもつこと以外にない。が、これは容易なことではない。人生観というのはそういうもので、一朝一夕には確立できない。


はやし浩司+++++++++++++++++Hiroshi Hayashi

でも、あの子はD小学校ですって!
ブランドにこだわる親たち(失敗危険度★★★)

●テーマはブランド
 参観日のあと、母親たちが校門の内側に立ってワイワイと話し合っている。教育の話かとおもいきや、そうではなかった。一人の母親がもっていたブランドのバッグについてだった。「どこで買ったの?」「わあ、ステキ!」「いくらだった?」「あら、いいわネ~。私もこんなほしいわ」「あら、あなたのも、ステキじゃない」と。

●人間の思考回路
 人間には思考回路というのがある。人というのは、一度自分の頭の中にその思考回路をつくると、その思考回路にそって、ものを考えたり、行動したりするようになる。脳の神経細胞のシナプス(神経細胞の接合部)※が、そのようにできあがったためと私は勝手に考えている。たとえば暴力団の男たちは、何か問題が起きると、暴力を使ってそれを解決しようとする。私のようなモノ書きは、何か問題がおきると、文を書いてそれを解決しようとする。それが思考回路である。

●ブランドで選ぶ幼稚園
 同じように、ブランドにこだわる親というのは、そのときどきにおいて、ブランドにこだわるようになる。そのほうが本人も楽ということもある。で、一度その思考回路ができあがると、その思考回路からはずれたことをするのは容易なことではない。それはそれとして、このタイプの親は、子どもの教育でもまた、ブランドを重視する。幼稚園でも、学校でも、ブランドで選ぶなど。中身ではない。あくまでもブランドだ。それはもう信仰のようなもの。理由など必要ない。ブランドのある幼稚園や学校なら、安心し、そうでなければ不安になる。そしてその返す刀で、(子どもの中身が変わったわけではないのに)、それ以外の幼稚園や学校へ通っている子どもを「下」にみる。「うちの子はA小学校よ。でも、あの子はD小学校ですって」と。

●しかし失敗も多い
 が、いつもいつもうまくいくとは限らない。このタイプの親は、反対に自分の子どもが、その「下」に落とされると、奇怪な行動をとり始める。毎朝、車で自分の息子を送り迎えしていた母親がいた。息子の学校の制服を近所の人に見られると恥ずかしいというのが、その理由だった。もう一〇年も前のことだが、毎朝、学校の制服を、駅前の喫茶店で着替えさせていた親すらいた。プライドをキズつけられると、親はそこまでする。こうした親の心理を理解できないわけではないが、その結末はいつもおかしい。そして悲しい。

※……人の大脳には、一〇〇億の神経細胞があると考えられ、その一個ずつの神経細胞に、約一〇万個のシナプスがあると考えられている。すると大脳全体で、一〇の一五乗のシナプスがあることになり、その数はDNAの遺伝子情報の一〇の九乗~一〇乗を超えることになる(新井康允氏)。人間の思考が、DNAの設計図の外にあることがこれでわかる。





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最終更新日  2009年02月08日 19時19分13秒
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