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楽天・日記 by はやし浩司

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2009年02月27日
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カテゴリ:生きザマの問題
●老後

++++++++++++++++++++++++++++++

考えるといっても、そのつど、起爆剤(信管)のようなものが必要。
「きっかけ」と言ってもよい。
「マッチ」でもよい。
それがないと、脳みそに火がつかない。
で、今は、その起爆剤がない。
そんな状態。
窓の外は、まったくの冬景色。
しかも夕方。
コタツの椅子から、ぼんやりとそれを眺めている。
眺めながら、ふと母の書いたメモ帳のことを思い出した。

++++++++++++++++++++++++++++++

●母のメモ帳

亡くなった母のメモ帳に、先ほど、1時間ほど、目を通した。
1日、250~300字程度。
たいていその日の天気で始まり、体の調子、人との交流を記して、それでおしまい。
が、長く読んでいると、不思議なものだ。
ただのメモ帳なのに、老後の不安というか、さみしさが、ひしひしと伝わってくる。
その中から、母の(心)を読み取ることができる。
文というものは、そういうものか。
たとえば、こうある。

「浩司(=私のこと)たちは、今年の正月は、どこかへ旅行に行った。
そのため今年の正月も、J(=兄)と2人だけ。
手の中でB(=手乗り文鳥)が、眠っている。
 昼過ぎになって、Kさん(=近所の友人)が、ちぎり絵のことで寄ってくれた。
 明日の展示会には、ひざが痛いので、出られそうもない……。
みんな、今年も、元気でありますように」(xx年1月1日)と。

母は母で、さみしさと懸命に闘っていた。
さぞかし不安で、心細かったことだろう。
が、それはそのまま私たちの近未来の姿でもある。

母自身もこう書いている。
「みなに、迷惑をかけたくない」
「みなに迷惑をかけている自分が、なさけない」と。

●「どう死ぬか」

老後は、どうがんばったところで、必ずやってくる。
その上、肉体は、不可逆的に衰えていく。
病気や故障が、それに追い討ちをかける。
「家族の温かい愛情に包まれて……」というのが理想の老後かもしれない。
が、包まれていたところで、孤独から逃れることができるというわけではない。

実は、私の中にも、こんな(考え)が芽生え始めている。
まだ小さく、心の闇の中で、息をひそめているが、しかしたしかに芽生え始めている。
「どう生きるか」ではなく、「どう死ぬか」という(考え)である。
今日も、長男に、私の家にある置き物についての説明をした。
「これは見た目には安物に見えるかもしれないが、価値がある物だ。
だからぼくが死んでも大切にするように」と。
これからは、そういう会話が、多くなることと思う。

●老後の旅行

こうした(考え)は、たとえばワイフと旅行をしていても、顔を出す。
美しい景色を見ても、ふと「二度と見ることはないだろうな」とか、「これが最後だろうな」
とか、思う。
先日も、長野県の諏訪湖へ行ってきた。
そのときも、そうだ。

どちらか一方が先に死んだら、この場所を思い出の場所にするのだろうか、と。
つまりワイフが先に死んだら、私は、ワイフとの思い出をたどるために、
ここへ再び来るだろうか、と。

しかしそれはないと思う。
訪れるとしたら、若いときにいっしょに行った場所のほうがよい。
八丈島かもしれない。
香港かもしれない。

さらに同じ旅行でも、若いときにする旅行と、そして今する旅行は、中身がちがう。
楽しむといっても、今は、心を開いて楽しむことができない。
が、悪いことばかりではない。

同じ景色でも、「二度と見ることはないだろうな」と思うだけで、深みがちがう。
若いときは、どこへ行っても、食い散らすようにして、思い出を粗末にした。
むしろそういうときの自分のほうが、愚かに見える。

●息子たちへ

道が明るい未来へとつづく、青春時代。
しかし老後は、その道が、すべて先細り。
さらにその先は、闇に包まれている。

2週間ほど前も、東京の出版社が、ある企画を提示してくれた。
20代、30代のころの私なら、それを小躍りして喜んだことだろう。
しかし、今は、もうない。
そういう喜びが、わいてこない。
「どうぞ、ご勝手に」と。
そんな気分で企画の説明を受けた。

……などなど。
今、母のメモ帳を読みながら、私がしていることもまた、同じような運命を
たどることを知る。
いつかだれか、今、ここに書いていることを読むかもしれない。
私が死んだあとに、だ。
息子たちのうちのだれかかもしれない。
孫たちのだれかかもしれない。

が、だれであるにせよ、私は、こう伝えたい。

私が書いている文章を読んで、「あのパパも、結構、孤独だったんだなあ」とか、
「さみしさと懸命に闘っていたのだなあ」とか、そんなふうには思ってほしくない。
私は私なりに、けっこう、楽しく過ごしている。
見た目には、朗らかで、明るい。
だからこの文章を読んで、自分たちの老後を、暗く、つらいものとは考えてほしくない。
むしろ逆。
私は、すでに、死ぬ準備を始め、死ぬ覚悟を作りつつある。
「死ぬ準備」とか、「死ぬ覚悟」とか書くと、悲壮感がただよう。
が、実際には、そうではない。
あえて言うなら、「満足感」ということになる。
そう、満足感だ。
その満足感が、「死ぬ準備」や「死ぬ覚悟」につながっている。

言い換えると、私は、自分の人生を思う存分、自由に生きた。
今も生きている。
何も思い残すことはない。
あるいは私は、私が生きた以上の人生を、ほかに生きることができただろうか。
私はやるべきことはした。
できることはした。
不完全でボロボロだったかもしれないが、そして息子たちからみれば、いやな
父親だったかもしれないが、それが「私」ということになる。

で、できれば、息子たちも、(孫たちも)、そう生きてほしい。
いつも前向きに!

息子たちよ、孫たちよ、
元気で、暮らせ。
私は母のメモ帳を読みながら、「ああしてやればよかった」「こうしてやればよかった」と
思った。
しかしお前たちは、そんなふうに思う必要はない。
私は、私の母とは、ちがう。
ちがうぞ!
……いらぬ節介かな?


Hiroshi Hayashi++++++++JAN. 09++++++++++++はやし浩司

●行方不明

先日、高校の同窓会の事務局から、通知が届いた。
その中に、10名ほどの名前が記してあり、「現住所などを知っていたら、知らせて
ほしい」とあった。
要するに、「行方不明だから、知っていたら、教えてくれ」と。

うち、数名は、私がよく知っていた人たちであった。
(今は、知らないが……。)

で、おかしなもので、住所のわかっている人よりも、そういう人たちの
ほうが、気になる。
「どこで、どうしているのか」と。
そういう点では、住所には住所としての意味がある。
住所を知っているというだけで、安心感を覚える。

で、本気で調べれば、私にも、わかる。
その人たちがいた会社や、属していた団体を、知っている。
そういう会社や団体を通して聞けば、わかる。
電話連絡だけで、わかる。
しかしどうも、そこまでする気にはなれない。
なぜだろう?

私がそれを知って、同窓会の事務局へ伝えたところで、それがどうだというのか。
それでどうこうなるわけでもない。
ひょっとしたら、その人たちも、あえて知られたくないところにいるのかもしれない。
あるいはそれぞれには、それぞれの深い思いというものが、ある。
そっとしておいてやることのほうが、大切(?)。
それがまた、思いやりというものかも、しれない。

(付記)

その中の1人に、Mさんという女性がいた。
私の郷里でも、かなり裕福な家庭に生まれ育った人である。
当時、自家用車で学校へ来ていた人は、彼女だけだった。
が、その家は、そのあと15、6年で、没落。
彼女の父親が経営していた会社も、倒産した。
その前後に、母親が他界したという話も聞いている。
同窓生の話では、それがショックで、Mさんは、ある
宗教団体に身を寄せることになったという。
狂信的な宗教団体として知られるカルト教団である。
が、そこで行方不明(?)。

私なら……という言い方はおかしいかもしれないが、
私なら、そんなことは気にしない。
仮に実家が倒産しても、それはそれ。
(だからといって、それを気にしてMさんが、同窓会との
連絡を絶ったということではない。誤解のないように。)
どこかの宗教団体に身を寄せたからといっても、それもそれ。
同窓会とは、関係ない。

しかしなぜ、連絡を絶ったのだろう?
連絡を取り合っている友だちはいないのだろうか?
その友だちが、なぜ同窓会の事務局に連絡をしてやらないの
だろうか?

いろいろな思いが、頭の中をかけめぐる。
が、この話は、ここまで。
やはり、そっとしておいてやるのが、いちばん、よい。
同窓会の事務局も、あえて住所を調べる必要もないのでは
ないか。
それが私の今の、率直な気持ちである。
というのも、私自身もいつもワイフや息子たちにこう言って
いる。

「ぼくが死んでも、たとえ兄弟、親類であっても、
知らせるな」と。


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最終更新日  2009年02月27日 06時26分49秒
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