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【新・家族論byはやし浩司】(「家族崩壊(申京淑)」をどう考えるか)
+++++++++++++++++++++++++++ 今、「家族崩壊」が、急速に進んでいる。 少子化だけが原因ではない。 日本人の意識が、180度、逆転してしまった。 なぜか。 またこの問題について、私たちはどう考えたらよいのか。 +++++++++++++++++++++++++++ ●快晴 今日は快晴。 山荘へ行く途中、富士山が見えた。 濃紺の山々の向こうに、白い頂(いただき)が、見えた。 この浜松でも、富士山が見える日は、めったにない。 ●山荘へ 車は今、我が山荘へと向かっている。 自宅から、35~40分。 場所はxx町。 xx山の中腹あたりにある。 ……その昔、そのあたりをワイフと2人で歩き回った。 そしてたどりついたのが、現在の山荘あたり。 一目見て、「ここだ」と。 そこに私たちの夢を「建てる」ことにした。 が、それからがたいへんだった。 地主が、なかなか「うん」と言ってくれなかった。 時折しも、バブル経済。 月ごとに、土地の価格は上昇していた。 ●山荘 結局、小山だが、一山買うような形になった。 宅地らしい形はできていたが、山は山。 それからというもの、つまり買い取ってからは、私たちが自ら造成した。 土日ごとに、ユンボを借りてきた。 それで造成した。 以来、26年以上。 宅地造成に6年。 建築に半年。 家だけは、地元の建築会社に頼んだ。 「一条工務店」(会社名)といって、地元でも、もっとも信頼のおける建築会社だった。 「山荘だからといって、ぜったいに手を抜かないでほしい」が、私が出した条件だった。 ●義兄夫婦 今日はその山荘に、義兄を招待した。 「一席、もうけますから」と。 義兄は、喜んでそれに応じてくれた。 ……義兄夫婦といっても、ワイフにとっては、両親的存在。 ワイフは4歳のとき、母を亡くしている。 ●会食 会食といっても、大げさなものではない。 仕出し屋で頼んだ弁当。 それを4人で食べた。 弁当はいつも、市内の一兆庵で頼んでいる。 四季折々の弁当を届けてくれる。 味もよく、値段も良心的。 ●成人式 今日は成人式。 忘れていた。 義兄の孫が、その成人式を迎えた。 義兄夫婦は、孫の話をしながら、うれしそうだった。 が、ここで待ったア! 「今の若い人たちは、ぼくらの青年時代とは、ちがうね」と義兄。 誤解がないように言っておく。 その話題を持ち出したのは、義兄のほうだった。 ●仕送り 義兄は、現在、76歳。 その義兄も、ボーナスを手にすると、毎年、全額、親に送っていたという。 当時はそれが常識だった。 私もそうしていたし、つづく世代の人たちも、みな、そうしていた。 が、それが今は逆転した。 成人式の祝いをするのも、ジー様、バー様だそうだ。 孫に祝い金(おひねり)を渡すのも、ジー様、バー様だそうだ。 「どうして?」と私が聞くと、「今の若い人は、貧乏だから」と。 ●ワーキング・プア 貧乏ではない。 目いっぱいの生活をしている。 だからいつも、お金が足りない。 車にパソコン、マンションに家具一式……。 だから貧乏? 足りなくなると、親にせびる。 「車を買う金がないから、貸して」と。 返済計画をプリントアウトして、もってきたりする。 親だましの小道具。 しかし返す気は、最初からない。 ●甘やかし どうしてここまで変わったか。 親子の立場が、逆転したか。 いろいろな説がある。 が、基本的には、(甘やかし)。 それが世代間の意識を、逆転させた。 今の若い人たちは、「親にしてもらう」のが、当たり前と考える。 もう20年も前のこと。 そのころ書いた本に、こんな話を書いた。 ある母親が、臆面もなく、私にこう言った。 「生活費が足りないので、毎月、親に援助してもらっています」と。 (この話とて、20年前の話だぞ!) ●生活費は7分の5 そういう話になると、話題が尽きない。 こんな例もあるという。 その若夫婦は、毎週、土日は、夫の実家で過ごすという。 さぞかし親孝行夫婦と思いきや、中身はそうでない。 その若夫婦は、土日を実家で過ごすことによって、食費や生活費を浮かしていた。 つまりそうすれば、生活費は、土日分を除いて、7分の5ですむ。 (7分の2は、実家の両親が負担する。) ついで孫の世話を両親に押しつけ、自分たちは遊び放題。 ●孫はかわいい? そうは言っても、孫が、「ジイジ……」「バアバ……」と寄ってくると、かわいい。 ほろっとする。 ほろっとして、「何か買ってやろうか」となる。 が、ここでも待ったア! サイコパス(サイコパシィ)という言葉を聞いたことがあるかと思う。 反社会的人格のひとつ。 精神病質のひとつと考えられている。 ウィキペディア百科事典には、つぎのようにある。 『……サイコパスは社会の捕食者(プレデター)であり、生涯を通じて他人を魅了し、操り、情け容赦なく我が道だけをいき、心を引き裂かれた人や期待を打ち砕かれた人、財産を奪われ尽くした人を後に残して行く。 良心や他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手に欲しいものを取り、好きなように振る舞う』(ウィキペディア百科事典)と。 そのサイコパスは、大別して、先天的なものと、後天的なもの(ソシオパス)に分けて考える。 後天的というのは、『親の育て方など』(ウィキペディア百科事典)によるものとされる。 そのサイコパス(サイコパシー)とはちがうが、似ている部分もないわけでない。 たとえばあなたが孫に、高価なプレゼントを買ってあげたとする。 あなたはそのとき、「孫は喜んでいうはず」「感謝しているはず」「孫との絆(きずな)は太くなったはず」と考える。 しかし孫は、そうではない。 ひょっとしたら、こう考えるかもしれない。 「しめしめ……うまくやった」「このジジーは単純だから、ちょっと甘えれば何でも買ってくれる」「もっと高価なものを買わせてやろう」と。 こうしたものの考え方が、(そういうふうに考える孫は少数派と信じたいが)、どこかサイコパス(サイコパシー)的。 ものの考え方が、捕食的。 ●欲望の渦 実は、私たち老人組は、その愚かなことをしてしまった。 「子どもには、つらい思いや、ひもじい思いをさせたくない」と。 「貧乏で苦労させたくない」とか、「もっと楽しませてやりたい」とか、そんなふうに考えた人も多いはず。 さらに戦後のあの物質文明の中で、自分を見失ってしまった。 「より高価なものを買ってやれば、親子の絆(きずな)も、その分だけ太くなる」と。 結果、子どもの周辺には、モノがあふれた。 が、もちろん弊害も現れた。 物欲の追求に慣れた子どもたちは、物欲的に自分を満足させることを、「善」とした。 ……というのは書き過ぎかもしれない。 しかし「子どもたちが欲望の渦の中で、溺れてしまった」というのは、それほどまちがっていない。 ●恋愛至上主義 戦後の日本は、当然のことながら、アメリカ文化の影響を強く受けるようになった。 その第一が、恋愛至上主義。 「恋愛こそが人生の一大事」と。 現在の若い人たちは、「恋愛」を人生の柱に据えた。 「恋愛が、すべて」と。 映画『タイタニック』を例にあげるまでもない。 が、そんな程度のことなら、街中をうろつくイヌやネコでもしている。 イヌやネコでもしていることをしながら、「これが人間だ」と。 まちがっているというより、馬鹿げている。 だから今では、自分たちの結婚式の費用ですら、親(ジー様&バー様)が負担する。 で、あとはお決まりの、「家族偏愛主義」。 「仕事より家族」と。 それがまちがっているというのではない。 私たちの世代は、仕事のために家族を犠牲にした。 その反動が、行きすぎてしまった。 ●反射的弊害 昔は、「家族」というと、そこにはかならず、祖父母の姿があった。 祖父母がいて、両親がいて、そのつぎに子どもがいた。 が、今は、ない。 若い人たちが「家族」というときは、自分たち夫婦と、その子どもだけをいう。 目が下ばかり、向いている。 だから今、その反射的弊害として、老人問題が起きている。 独居老人はふえ、孤独死、無縁死は、当たり前。 この先、60%の老人が、そういう死に方をするという。 介護施設にしても、100~200番待ちは、当たり前。 1~3年待ちも、これまた当たり前。 私たち老人組だけの話ではない。 現在、40歳以上の人たちが、そうなる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年01月09日 07時20分25秒
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