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楽天・日記 by はやし浩司

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2012年01月09日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
【新・家族論byはやし浩司】(「家族崩壊(申京淑)」をどう考えるか)

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今、「家族崩壊」が、急速に進んでいる。
少子化だけが原因ではない。
日本人の意識が、180度、逆転してしまった。
なぜか。
またこの問題について、私たちはどう考えたらよいのか。

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●快晴

 今日は快晴。
山荘へ行く途中、富士山が見えた。
濃紺の山々の向こうに、白い頂(いただき)が、見えた。
この浜松でも、富士山が見える日は、めったにない。

●山荘へ

 車は今、我が山荘へと向かっている。
自宅から、35~40分。
場所はxx町。
xx山の中腹あたりにある。

 ……その昔、そのあたりをワイフと2人で歩き回った。
そしてたどりついたのが、現在の山荘あたり。
一目見て、「ここだ」と。
そこに私たちの夢を「建てる」ことにした。

 が、それからがたいへんだった。
地主が、なかなか「うん」と言ってくれなかった。
時折しも、バブル経済。
月ごとに、土地の価格は上昇していた。

●山荘

 結局、小山だが、一山買うような形になった。
宅地らしい形はできていたが、山は山。
それからというもの、つまり買い取ってからは、私たちが自ら造成した。
土日ごとに、ユンボを借りてきた。
それで造成した。

 以来、26年以上。
宅地造成に6年。
建築に半年。
家だけは、地元の建築会社に頼んだ。
「一条工務店」(会社名)といって、地元でも、もっとも信頼のおける建築会社だった。
「山荘だからといって、ぜったいに手を抜かないでほしい」が、私が出した条件だった。

●義兄夫婦

 今日はその山荘に、義兄を招待した。
「一席、もうけますから」と。
義兄は、喜んでそれに応じてくれた。

 ……義兄夫婦といっても、ワイフにとっては、両親的存在。
ワイフは4歳のとき、母を亡くしている。

●会食

 会食といっても、大げさなものではない。
仕出し屋で頼んだ弁当。
それを4人で食べた。
弁当はいつも、市内の一兆庵で頼んでいる。
四季折々の弁当を届けてくれる。
味もよく、値段も良心的。

●成人式

 今日は成人式。
忘れていた。
義兄の孫が、その成人式を迎えた。
義兄夫婦は、孫の話をしながら、うれしそうだった。
が、ここで待ったア!

 「今の若い人たちは、ぼくらの青年時代とは、ちがうね」と義兄。
誤解がないように言っておく。
その話題を持ち出したのは、義兄のほうだった。

●仕送り

 義兄は、現在、76歳。
その義兄も、ボーナスを手にすると、毎年、全額、親に送っていたという。
当時はそれが常識だった。

 私もそうしていたし、つづく世代の人たちも、みな、そうしていた。
が、それが今は逆転した。
成人式の祝いをするのも、ジー様、バー様だそうだ。
孫に祝い金(おひねり)を渡すのも、ジー様、バー様だそうだ。
「どうして?」と私が聞くと、「今の若い人は、貧乏だから」と。

●ワーキング・プア

 貧乏ではない。
目いっぱいの生活をしている。
だからいつも、お金が足りない。
車にパソコン、マンションに家具一式……。
だから貧乏?

 足りなくなると、親にせびる。
「車を買う金がないから、貸して」と。
返済計画をプリントアウトして、もってきたりする。
親だましの小道具。
しかし返す気は、最初からない。

●甘やかし
 
 どうしてここまで変わったか。
親子の立場が、逆転したか。
いろいろな説がある。

 が、基本的には、(甘やかし)。
それが世代間の意識を、逆転させた。
今の若い人たちは、「親にしてもらう」のが、当たり前と考える。
もう20年も前のこと。
そのころ書いた本に、こんな話を書いた。

 ある母親が、臆面もなく、私にこう言った。
「生活費が足りないので、毎月、親に援助してもらっています」と。

(この話とて、20年前の話だぞ!)

●生活費は7分の5

 そういう話になると、話題が尽きない。
こんな例もあるという。

 その若夫婦は、毎週、土日は、夫の実家で過ごすという。
さぞかし親孝行夫婦と思いきや、中身はそうでない。
その若夫婦は、土日を実家で過ごすことによって、食費や生活費を浮かしていた。
つまりそうすれば、生活費は、土日分を除いて、7分の5ですむ。
(7分の2は、実家の両親が負担する。)

 ついで孫の世話を両親に押しつけ、自分たちは遊び放題。

●孫はかわいい?

 そうは言っても、孫が、「ジイジ……」「バアバ……」と寄ってくると、かわいい。
ほろっとする。
ほろっとして、「何か買ってやろうか」となる。

 が、ここでも待ったア!

 サイコパス(サイコパシィ)という言葉を聞いたことがあるかと思う。
反社会的人格のひとつ。
精神病質のひとつと考えられている。
ウィキペディア百科事典には、つぎのようにある。

『……サイコパスは社会の捕食者(プレデター)であり、生涯を通じて他人を魅了し、操り、情け容赦なく我が道だけをいき、心を引き裂かれた人や期待を打ち砕かれた人、財産を奪われ尽くした人を後に残して行く。
良心や他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手に欲しいものを取り、好きなように振る舞う』(ウィキペディア百科事典)と。

 そのサイコパスは、大別して、先天的なものと、後天的なもの(ソシオパス)に分けて考える。
後天的というのは、『親の育て方など』(ウィキペディア百科事典)によるものとされる。

 そのサイコパス(サイコパシー)とはちがうが、似ている部分もないわけでない。
たとえばあなたが孫に、高価なプレゼントを買ってあげたとする。
あなたはそのとき、「孫は喜んでいうはず」「感謝しているはず」「孫との絆(きずな)は太くなったはず」と考える。
しかし孫は、そうではない。
ひょっとしたら、こう考えるかもしれない。

 「しめしめ……うまくやった」「このジジーは単純だから、ちょっと甘えれば何でも買ってくれる」「もっと高価なものを買わせてやろう」と。

 こうしたものの考え方が、(そういうふうに考える孫は少数派と信じたいが)、どこかサイコパス(サイコパシー)的。
ものの考え方が、捕食的。

●欲望の渦

 実は、私たち老人組は、その愚かなことをしてしまった。
「子どもには、つらい思いや、ひもじい思いをさせたくない」と。
「貧乏で苦労させたくない」とか、「もっと楽しませてやりたい」とか、そんなふうに考えた人も多いはず。

 さらに戦後のあの物質文明の中で、自分を見失ってしまった。
「より高価なものを買ってやれば、親子の絆(きずな)も、その分だけ太くなる」と。
結果、子どもの周辺には、モノがあふれた。

 が、もちろん弊害も現れた。
物欲の追求に慣れた子どもたちは、物欲的に自分を満足させることを、「善」とした。
……というのは書き過ぎかもしれない。
しかし「子どもたちが欲望の渦の中で、溺れてしまった」というのは、それほどまちがっていない。

●恋愛至上主義

 戦後の日本は、当然のことながら、アメリカ文化の影響を強く受けるようになった。
その第一が、恋愛至上主義。
「恋愛こそが人生の一大事」と。

 現在の若い人たちは、「恋愛」を人生の柱に据えた。
「恋愛が、すべて」と。
映画『タイタニック』を例にあげるまでもない。
が、そんな程度のことなら、街中をうろつくイヌやネコでもしている。
イヌやネコでもしていることをしながら、「これが人間だ」と。

 まちがっているというより、馬鹿げている。
だから今では、自分たちの結婚式の費用ですら、親(ジー様&バー様)が負担する。
で、あとはお決まりの、「家族偏愛主義」。
「仕事より家族」と。

 それがまちがっているというのではない。
私たちの世代は、仕事のために家族を犠牲にした。
その反動が、行きすぎてしまった。

●反射的弊害

 昔は、「家族」というと、そこにはかならず、祖父母の姿があった。
祖父母がいて、両親がいて、そのつぎに子どもがいた。
が、今は、ない。
若い人たちが「家族」というときは、自分たち夫婦と、その子どもだけをいう。
目が下ばかり、向いている。

 だから今、その反射的弊害として、老人問題が起きている。
独居老人はふえ、孤独死、無縁死は、当たり前。
この先、60%の老人が、そういう死に方をするという。
介護施設にしても、100~200番待ちは、当たり前。
1~3年待ちも、これまた当たり前。

 私たち老人組だけの話ではない。
現在、40歳以上の人たちが、そうなる。





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最終更新日  2012年01月09日 07時20分25秒



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