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むか~し、むかしのはなし。 ある百姓家に花のように美しい娘がおってナ。 気立ても良くて働き者だったから嫁入り話もいっぺぇあったト。 ところが可愛そうにこの娘、へっこき娘でナ。 あっちで「ぷっ」こっちで「ぷうぷう」かかさまはそれだけがきがかりじゃった。 ある日、娘にいい縁談がきてなぁ。 このまんまじゃ行かず後家にになってしまうでなぁ・・・・・・・ とかかさまはついに決心したト。 さて、嫁入りの前の晩、かかさまは娘にとっくりといいきかせた。 「ええか、『猫の子ももらいがけ』ということがあるんじゃ。しばらくはおとなしゅうして屁をこくでないぞ!」 「あい、かかさま。」 とついでからというもの、嫁は部屋の隅にちょんと座っとるばかりでなにやら顔色もぱっとせん。 姑が心配して、「これこれ」と呼ぶと嫁はつい 「みやぁ~」 と答えてしまった。 びっくりした姑がナ 「わりゃ(お前)猫の性か。」 と聞くと嫁ははずかしいやらこわいやらで、 「おりは嫁に行くときかかさに『猫の子もらいかけ』っていわれて・・・・・・。」 と、うつむいた。 ついに我慢で金曜になった嫁は、大粒の涙をこぼしながら、 「おっおりは猫の性でのうて屁の性なんやさ。」 と、うちあけてしまったんじゃ。 すると 「そんな屁なんぞで悩まんでええ。かわええ嫁じゃ。」 姑が笑いながら言うと、嫁はすっかり安心して腹の力が抜けてしもうてナ、たて続けに百も屁をこいたんじゃ。 「ぷぷぅ~ぴっぴぶぉぶぉぶ~・・・・・ぶっぶっぶぉ~ん!!」 「あーれ~」 屁にふっとばされた姑は、野を越え山越え谷越えて隣村の菓子屋の前にずどーんと落っこちた。 「あれま、空からばばさが降ってきた。」 菓子屋のかかさはびっくりこいたが、まぁまぁと家に入れて休ませた。 お茶とせんべいをふるまって、 「うまいせんべじゃ。あがってくりよ。」 というと姑はかぶりをふって、 「百屁によばれて隣村、千屁によばれりゃ、殻天竺じゃ。くわばらくわばらト。」 と大笑いした。 おしまい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.08 15:05:27
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