「ヨシ」と「イケナイ」人間もそうですが、犬は「してよいこと」と「してはいけないこと」を、 生まれつき知っているわけではありません。 ですから、何が良い行動か、いけない行動かを、 飼い主は教える必要があるのです。 何もわからない子犬が悪いことを覚える前に、 よい事を教えましょう。たとえば、 噛んでも良いものを噛んだら「ヨシ」と言ってほめます。 逆に噛んではいけないものを噛んだら、 「イケナイ」と叱るか無視します。 無視は犬に対して愛情を遮断することとなり、 とても効果的です。気をつけたいのは、 人間の子ども同様、叱るだけでは効果が薄いということ。 効果が薄いばかりか、 つねにビクビクしている気持ちの不安定な犬になってしまいます。 名前を呼んだらこちらを向いた、ブラッシングをおとなしくさせた、 など小さいことでも、良い行動ならどんどんほめましょう。 もし可能なら、叱らずに育てることが最も良い方法です。 飼い主にほめられる喜びを覚えた犬は、 してはいけない行動をすることがどんなにつらいか、 自覚しているのです。 ほめられている、叱られていると犬にわからせるには、 すぐに言うことが大切です。 犬は5秒を過ぎると、 何に対してほめられたか、叱られたか、理解できません。 すばやく対応し、 ほめ言葉や叱る言葉が行動とうまく結びつくようにしましょう。 また犬の名は、ほめるときは呼びますが、 叱るときは呼んではいけません。 「○○イケナイ」と叱ると 「○○」と言う自分の名と叱られることが結びついてしまい、 名を呼ばれることは嫌なことと理解してしまうからです。 「イケナイ」「ノー」「ダメ」などの叱り言葉は、 家族で1つの表現に統一しましょう。 さまざまな言葉で言うと犬が迷います。 叱るときは低く威厳のある口調で、 感情的にならずに言います。 トレーニング方法 1.犬の目の前に噛んで良いもの(おもちゃなど)と いけないもの(スリッパなど)を置き、 犬が良いものを噛んだら5秒以内に 「ヨシ」「オリコウ」などとほめます。 心をこめてほめることで、 自分がどういう行動をとったら家族が喜んでくれるかを、 犬にはっきりわからせるのです。 2.噛んではいけないものを噛んだら、 5秒以内に「イケナイ」と叱ります。 ただし感情を込めてはいけません。 噛んだものを離したら、すぐにほめましょう。 いけない行動を叱ったあとは、 必ずその犬が出来る良い行動(アイコンタクトなど)をさせて存分にほめます。 また叱るかわりに無視するのも、たいへん有効です。
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