カテゴリ:大好き度120%!!
演劇や舞台の世界をモチーフに選んだ小説に出会うたび、 「演じる」ことの魅力って一体なんなんだろう??って思います。 演じるって事は“虚構”なのに。そこにあるのは作られたものなのに。 観る方がそこに自分自身にとっての真実を写し込んでしまう… まるで鏡のように、自分と向き合うことになってしまう。 この小説は劇団Φ(ファイ)を旗揚げするべく、原作者、役者、制作、 舞台美術…そういった劇団を運営していくのに必要な人材を 探し求めていく途中で出会った「謎」を解いていくミステリーです。 それぞれのふとした「謎」を解き明かす場面ももちろん面白いけれど、 登場人物たちの舞台への熱が次第に一つになっていく、 最終章の「…そして、開幕」へ至るまでの過程がすごく好き ![]() ミステリーなのに、著者は人を優しい気持ちにさせるのがすごく上手です。 劇団Φの第一回公演の演目、あらすじだけちょっと描かれてるのですが (以下抜書きさせてもらいますね) 四人の登場人物それぞれの視点から一つの出来事が語られる。… 誰の視点をとるかによって、同じ出来事がほんの少しずつ違って 描写される。 先に推察したことが次の場面では否定される、それを繰り返して、 最終的にその出来事の全体像が描き出される。 それは驚くべきものであると同時に、どこか、これも否定される余地が あるのでは、という不安定感を残して終幕… 著者の光原さんが、具体的な物語を念頭に置いて書かれたかどうかは わかりませんが、柊はこれを読んで真っ先に「恩田陸さん」思い 浮かべちゃいました。 『夏の名残りの薔薇』とか。舞台の上で上手く脚色されたりしたら すっごく面白そう~、と一人で盛り上がってしまった(笑) 劇団Φの公演、観てみたくなる。 人当たりがすごく優しいのに舞台に関することになると途端に厳しく (柄まで悪くなっちゃう!?)度会さんや、 瞳が印象的だという風見さんがそこでどんな演技を見せてくれるのか 確かめたくなる。 惹きつけられる役者さんには、演技の上手さはもちろんのこと、 本人自身にも特別な魅力がないとね ![]() ![]() 柊の別宅案内 → ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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