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洪水は増水を続けている。裏の運河からも表の道路からも敷地内に水が浸入してきた。
昨日お昼近く、隣のチンさん宅に来ている親戚の方が、バイクでザモールに行ってきたという情報を得て、ナンナさんは、すぐに行こうと言い出した。 ニックは、風邪とお腹を壊しているので、お留守番できる?と尋ねるとOKという(後に分かった。何にもOKじゃなく、われわれが帰宅したらわんわん声を上げて泣いてガレージに出ていた)。 わが家からNムラの正門まで、ふだんでも歩いて5分以上かかる。ここを最深太ももまでの冠水道を歩くのだが、30分ぐらいかかった。ようやく、カンチャナピセク道路に出て、タクシーを捕まえようとするのだが、ほんとに珍しくタクシーが止まってくれない。しかも、12車線の車の方向性がめちゃめちゃに崩れている。危なくてしょうがない。ようやく一台捕まえて、ザモールにたどり着いた。 ザモール自体は、普通に営業していて普段と変わりなかった。 ナンナさんの・・・ここがどうも彼女の欠点なのだが・・・必要な買い置き(ストック)を買うだけ買おうという。ぼくは、1)車で来ていないので持ち運びができない、2)そんなに買って冷蔵庫に入らない、3)ニックがさびしがっているから時間をかけられない、ということを指摘した。彼女は「わかったわかった 舟を買いましょう」と言いながらも、つぎつぎ買い物を続ける。 舟じゃなくてプラスチックの大きな箱を買った。そして、タクシーをザモールの外から拾ってきて、買い物をタクシーに運び込んだのだが、乗客のぼくらが乗れるのがやっとという量である。当然予測できることだったが、タクシーはNムラの正門の中に入ることを拒否した(洪水のため)。カンチャナピセク道路上に降ろされて、そこからが大変。ほんとに大変だった。 舟(箱舟)に買い物を詰め込んで、それを水に浮かべて・・・しかも舟が小さいものだから、じきにひっくり返りそうになる・・・腰を屈めて、ひっぱり、押してNムラの冠水道路を歩いた。ぼくは腰が痛くてなんども休んだ。ナンナさんは、悲鳴をあげて「へびへびへび・・・」と叫ぶ。ぼくは舟の操作(ひっくり返らないようにバランスをとる)に忙しくて、へびなんか目に入らない。ナンナさんはよほどへびが嫌いらしく、ぼくがへびに注目しないことを非難するような金切り声「ヒカルゥ!!!!サネイク(スネークのタイ訛り)」をあげていた。やっと彼女に従って見ると、茶色の小さなへびが泳いでいる。見ても毒蛇ではない。捕まえて飼いたいくらい可愛い(これほんと)。しかも、われわれと距離がある。ぼくは オーケー ノープロブレム ゴーゴーアヘッド というのに、彼女はパニックで逃げようとする・・・いやいや、ほんとうに大変だった。 そこへ、地獄に仏。お隣のチンさんの大きな車(ミツビシランサー)が通りかかって、止まってくれた。彼の車に箱舟を運びあげて、ようやくわが家にたどり着いた。 ニックが大声で泣いて待っていた。3時間ぐらいのお留守番であった。 ナンナさんはニックを抱きしめて、キスの霰を降らせていた。ぼくも「ニック イズ ソー ストロング ニック ウェルダン」と頭を抱いた。と同時に「ユア ママー オルソ ワズ ソーソー ストロング」と何度もナンナさんを賞賛した。この気持ちは真実である。無計画で先読みできない傾向があるナンナさんだが、その誠意と使命感と家族愛には誰も負けない。 しばらく泣き続けていたニックは、ペットボトルから水をがぶ飲みして、「ルンコイチ ぼく涙がたくさん出たので喉が渇いた」と笑わせてくれた。ニックは、この洪水避難の期間に、りっぱにユーモアあふれる英語がしゃべれるようになった。 【写真:Nムラの道路。車とボートとの共存;Nムラの別の敷地に避難しているわがポコアポコ。無事である;Nムラのゲート。これはとても厳重で部外者は簡単には入れない】 PS. ザモールデパート(バーンケ)は本日16時をもって閉鎖されたとTVで報道されたとの由。昨日のわれわれの苦労は危機一髪で間に合った。ナンナさんの判断の正確さを裏付けた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.11.02 18:22:56
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