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リサ・ランドールLisa Randall の「歪んだ経路―宇宙の隠された次元を紐解く」WARPEDPASSAGES---UNRAVELLING THE MYSTERIES OF THE UIVERSE’S HIDDEN DIMENSIONS(仮訳)を読んでいる。彼女は45歳のハーバード大学教授である。ノーベル賞にもっとも近い女性物理学者と言われている。リサは、理論家ではなくて、実験から事実を積み上げてモデルを作るモデルビルダーである。理論の側からは、1984年にマイケル・グリーンやジョン・シュワルツ(先駆的には南部陽一郎がいる)が提唱した弦理論の流れで、1995年のエドワード・ウィッテンのM理論(膜理論=ブレーン理論)があった。リサは、モデル・ビルダーでありながら、広義の弦理論string theoriesとの融合を試みた。もともと弦理論は、量子力学と一般相対性論との大統合=アインシュタインの夢を果たそうとするものであった。リサは彼女の「異次元」(「余剰次元」extra dimension)モデルが、実験によって証明されるだろうと期待している。CERNのLHC(大型ハドロン衝突型加速器)は事故によって実験の進展が遅れている。さらに、これは人為的にブラックホールを作り出すものであるので、極小のブラックホールとはいえ危険ではないかという反対運動も存在する。 ここで、リサを取り上げたのは、長い間分裂状態にあった宇宙論(一般相対性論)と量子力学(コペンハーゲン解釈)が、ブラックホールの発見等々によって、リサの異次元=余剰次元のアイディア(方程式)の登場で統合理論が完成したことを寿(ことほ)ぎたいからではない。 リサが言うには、物理学で長く二つのアプローチの仕方があって、互いに譲り合わない状態がつづいた。この二つのアプローチちとは、モデルビルディングと弦理論である。後者は理論から大上段の法則的に宇宙と素粒子を統一的に解釈しようとするものであると。リサが、ここで面白いことを言っている。語学を勉強するときでも、日常生活で使われている外国語を一つ一つ覚えて繋げてマスターしていく方法と、文法構造を学んで、そこに単語を当てはめていく方法と二つある。 ぼくの高校時代は、英語の授業は三つに分かれていた。リーダー、文法そして英作である。英作はもっとも難しかったような気がする。リーダーと文法とを統合しなければならないからである。ニックの英語の学習とNさんの英語を聞いていると、モデルビルディングの方式に偏っているように見える。ニックの英語の勉強は、日本人の子どもが国語で漢字の書き取りに最大の時間をとるように思えるのに似ていて、もっぱらディクテーションである。ニックが話しかけてくるとき、単語の合間に無意味の「インザ」「アー」などと言う音を入れるだけで、文法もへったくれもない。足りないところはしぐさで通じさせてしまう。Nさんは、はるかに高度だけど、ニックと似てるところがあって、タイ語の特徴で語尾が消えることやタイ語にはサイレントの文字で発音しないのがやたあることと関係があるけど、過去形のdとか三単現(三人称単数現在形)や複数形のsとか、聞こえない。事実上無視して速射砲のように英語を繰り出す。で日本語のエートエートというところで、ハウドユーセイ(なんといったらいいか?)を挟んで身振り手振りで会話が補われる。ぼくがタイ語を少しずつ学んでいるのは、決して文法の本を読んでいるのではない。彼らの言葉の単語やつながりを耳で聞いて覚えようとしてるだけである。 リサはこのリーダーと文法の二つの英語学習をそれぞれモデルビルディングや弦理論に対応させている。では、英作に当たるものは何かについては、リサは何も触れていない。彼女の変な英語(ぼくからみるととても特徴的な英語である)でも、立派なUSA人であるから、その必要がないのかもしれないが。 [写真:朝の散歩で必ず発見がある。初めて見るというような植物とか花である] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.01.13 21:12:03
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