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■かに特集2009 昨年、4分58秒差をひっくり返された早大の渡辺監督は「毎日、夢に出てくる」と言う。山登りの5区。東洋大・柏原竜二(2年)の爆発的な走りは今年も、見る者の度肝を抜いた。 たすきを受けた時点では、首位から4分26秒差の7位。4区までトップを独走していた明大・西監督が「5~6分はリードして入らないと……」と抱いていた懸念は、中間点を越えた頃に現実のものとなる。 1人、また1人と、斜面に入る前に早くも4人を抜き去り、10キロ手前で2位に。急斜面などないかと錯覚させる力強い踏み込みで、ゴールまで10キロ以上残した12・7キロ過ぎには一気にトップに立った。 後続を置き去りにした後は、自身の記録との戦いだった。 昨年、今井正人(当時順大)が2007年に作った記録を実に47秒更新する驚異的な区間新をたたき出した。 「新・山の神」の称号を得た20歳は、最高到達点を過ぎた後の急な下り坂で、何度も時計に目をやる。自らの区間記録を10秒更新するタイムでゴールテープを切った瞬間、会心の表情の中に、悔しさのにじむ苦笑いを浮かべた。 「誰にも破られないタイムを出したい。1時間16分台で走りたい」 そう自分で課していたタイムには8秒届かなかった。貪欲(どんよく)に、視線はどこまでも上に。自らに試練を与え続ける姿勢が、その成長を止めようとしない。 各チームが「最重要区間」と口をそろえた難関中の難関を全く苦にしない走り。厳しくなる一方のマークにも、「楽しんで走れた」と一蹴(いっしゅう)する度胸。柏原の記録を破るのは、柏原でしかない。(田中潤) ※この記事の著作権は、ヤフー株式会社または読売新聞に帰属します。 Windows7特集 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.02 18:42:18
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