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カテゴリ:★★★★☆な本
蹂躙され殺された娘の復讐のため、父は犯人の一人を殺害し逃亡する。「遺族による復讐殺人」としてマスコミも大きく取り上げる。遺族に裁く権利はあるのか?社会、マスコミそして警察まで巻き込んだ人々の心を揺さぶる復讐行の結末は!? <感想> ★★★★☆ 絶対にハズレないミステリー作家を一人あげろといわれれば、私は迷わ ず東野圭吾と答えます。本書も夜中にイッキ読みしてしまいました。 妻に先立たれ娘と暮らす主人公が、復讐に走ると言うありがちなストー リーですが、主人公の内面や直接、捜査に関わる刑事達のホンネなどが丁 寧に描かれています。 復讐なんて野蛮だ!司法にまかせるべきだ!死刑制度には反対だ!未成 年者犯罪者の処遇は更正を前提に考えるべきだ!と私達はよく口にしま す。しかしもし、私がその立場に立たされた時には、どのような行動に出 るのでしょうか?行動に出ないまでもどのような感情に支配されるので しょうか?作者は主人公を通して何度も読者に問い掛けてきます。 ミステリーとして一級作品であるのはもちろんのことですが、読者に考え させるというのがこの小説のテーマなのかもしれません。 とても力のある作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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