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2005.11.15
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カテゴリ:★★★★★な本

9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。お母さんはふと思います。いつか大きくなった時、今日のことを思い出すかな―。どんな時もあなたの味方、といってくれる眼差しに見守られてすごす幸福。かつて自分が通った道をすこやかに歩いてくる娘と、共に生きる喜び、切なさ。やさしく美しいイラストで贈る、少女とお母さんの12の物語。

「月の砂漠をさばさばと」北村薫/おーなり由子新潮文庫


<感想> ★★★★★

日頃、私がおじゃましているサイトは、リンク先を中心に15~20箇所

です。 主に読書系のブログサイトですが、新刊本でもないのに今月5人

もの方が感想を書いていらっしゃるのが本書です。

さて、本書は、おーなり由子さんのイラストと共に、9歳の女の子とお母

さんの話が綴られている短編集です。 作家でたくさんのお話を聴かせて

くれるお母さん。 ソラマメを剥きながら季節を感じた夏、自転車に乗れ

るようになった夕暮れ・・・・それは誰でも記憶に片隅にある場面だと思

います。 読者はそこに提示されたものに触れるだけでも、自分が子供だ

った時代、自分の子供がまだ小さかった頃を、思い出してかなり癒される

し優しい気持ちになれると思います。

しかし、この作品がそれ以上に優れているのは、その輝かしい時間、明る

い季節に、ふと差し込む影がしっかり描かれていることだと思います。 

読み進めているうちにこの親子は最良の状態でないことに気がつきます。 

その中に、いくつかの場面がありますが、最も象徴的なのは『猫が飼いた

い』で、女の子が荷台のない自転車に猫をまたがらせようとするシーン。 

それを見てお母さんは涙をぽろぽろ流します。

明るい季節、そこに差し込む影はあまりにも濃くて長い。しかし、逆にそ

の影が濃ければ濃いほど、その明るさは眩いほどに輝くのではないかと思

います。

やたら抽象的な感想になってしまいましたがお読みになれば、なぜこんな

に多くの人がこの本を読んでいるのかが、おわかりいただけると思います。

お-なり由子さんのイラストが絶品で、読了後奥付けに描かれているイラ

ストを見ると何故かうるうるしちまいます。

余談ですが、梨木香歩さんの解説がサイコーでした。







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最終更新日  2005.11.15 23:47:00
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