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テーマ:お勧めの本(7222)
カテゴリ:★★★★☆な本
きりこは両親の愛情を浴びて育ったため、自分がぶすだなどと思ってもみなかった。小学校の体育館の裏できりこがみつけた小さな黒猫「ラムセス2世」はたいへん賢くて、しだいに人の言葉を覚えていった。ある事件がきっかけで引きこもるようになったきりこは、ラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。夢の中で泣き叫んでいた女の子を助けるために…。猫を愛するすべての人に最新書き下ろし長編小説。
<感想> ★★★★☆ 本書はぶすと猫の話です。 なんだぁ~きこりの話じゃねぇ~のかよ 思った人は帰ってちょーだい!!ってそんな人はいませんよね。 溜まっていた感想を連続投下しているので疲れているんです。 すんまそん。 さて、冒頭で直接的な表現を用いましたが、本書にはぶすという言葉 がたくさん出てきます。 どれくらいたくさんかと言えば、おそらくギネス ブックに登録されるぐらいです。 そんな主人公の幼少期から大人になるまでを描いていますが、その筆 は辛辣でありながらもどこか見守っているという優しい視点が加えられ ています。 ぶすでリーダーシップのあるきりこ(←きこりじゃないですよ) が、ある日突然その座を引きずり下ろされる瞬間や引きこもりになって しまうエピソードがかなりシビアですが、そこにはいつも猫がいます。 もう一人の主人公(語り手)(←ネタバレ注意報)は、猫のラムセス2世 です。 猫と人間が会話(のようなもの)をするという、ありえない展開で すが猫好きな方ならその感覚を理解できると思います。 恐らくという かゼッタイに猫はこんな考え方をして日々を送っているんだと思います。 私ってもしかしてぶすかも・・・とお悩みの方。 そしてなにより猫が好き な方におススメします。 最後まで読めば必ず元気になれる一冊です。 西加奈子さんですが、年末に新刊が出ました。
栗田有起さんが『波』に解説を書いています。 興味のある方はこちら
『窓の魚』も年末に文庫化されました。 文庫版の解説は中村文則さんです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.01.08 11:29:15
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