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カテゴリ:職場・日常
あとひと月もすると、ワタシのオトンが忽然と姿を消したあの日から丸7年になる。未だ音信どころか生死すら明らかになっていないのだが、法律的には失踪後7年で死亡認定できるようなので、その日までに生存の確認が取れなければ、以降は諸々その方向で手続きしていくことになってしまう…
過去に何度か本稿で書き記しているのだが、刑事ドラマニアの“ナンチャって刑事”たるワタシが推理するところでは、失踪当時の状況が「死に場所を求める」というよりは「あらかじめ用意されていた隠れ家へ向かう」ような感じだったので、どこかに潜伏している可能性を否定できないでいる。オトンの性格的にも、しでかした事の大きさに気付き出てきたくても出られなくなっているのではないか、期日までに「心配かけてスマン」とひょっこり出てくるのではないかという希望を、僅かながら拭えないでいるのだ。 オトンの失踪当初、ワタシはオトンに対する怒りに打ち震えていた。残されたオカンの動揺、狼狽ぶりを間近で見るにつけ、いくら仕事上の悩みを抱えていたとはいえ、ここまでオカンを苦しめる権利がオトンにあるのかと考えたからだった。 今までにも、オカンからまるで“形見分け”のように、使えそうなオトンの持ち物や衣類を渡されたことがあったのだが、オトンに対して抱いていた怒りもさることながら、ワキの下にこびりついたオトン特有の異臭(!)がクリーニングしてもとれなかったりしたので、これまではそうしたものを一度も使ったことがなかった。しかし“その日”を間近に控えた今、オトンに対する怒りは薄れ、ほとんどなくなってきている。最近ではオトンがカラオケでよく歌っていた曲を歌えるようになったり、この間もオカンから「ほとんど使っていないから」とオトンの高級ダウンジャケットを渡されて、その温かさゆえ毎日のようにそれを着て通勤してもいる。 思えば、同性ということもあってかオトンには、オカンと比べて距離感があったように思う。身体的な接触がほとんどなかったから、オトンの温かみって実はあまり感じたことがない。だからこそ今、こうしてオトンの着ていたダウンジャケットを着ることで、少しだけオトンの温もりみたいなものを感じられているのかもしれない。 もう怒らないから、すぐにでも帰っておいでオトン。みんな首を長くして、その日が来るのを待っているよ… ぎっちょ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 11, 2016 10:40:23 PM
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