虎・岩田、無死満塁斬った!斬った!どや!
誰もが同点を覚悟した局面で伝家の宝刀がキレにキレた。1点を守る三回無死満塁。岩田は石川、森本を連続空振り三振、下園も投ゴロに仕留め、無失点で切り抜けた。決め球はすべて得意のスライダーだった。
「(スライダーは)自分の攻める球。あそこで投げないと。絶対に抑えるという気持ちでした」
最大のピンチをしのぎ8回1失点に抑えた。わずか1安打に封じ、自身初の4連勝でチームトップタイの5勝目(5敗)をマーク。「ここから貯金を作っていきたい」と笑みをこぼした。真弓監督も「向こうが、自分のスイングをできていなかった」と褒めたたえた。
勝負どころで異彩を放ったスライダーはプロ野球界でも屈指の切れ味を誇る。だが、鋭く曲がり落ちるがゆえ、扱いに悩んだこともあった。2009年のシーズン最終戦となった10月9日ヤクルト戦(神宮)。クライマックス・シリーズ(CS)進出をかけた一戦に相手右打者は、生命線の内角スライダーから逃げない。死球を恐れて内角攻めの投球を鈍らせ、6回2失点で敗戦投手。しばらく“後遺症”となった。この時、頭を抱える姿を見て、救ってくれたのが右のエース、久保だった。
「悩む必要なんかないやん。プロの打者がお前のスライダーを打つのを“あきらめる”んやで。自信を持って投げたらいい」。この一言で吹っ切れた。この日も7三振のうち4個をスライダーで奪った。ただ、自己ワーストの6四死球は課題。お立ち台で開口一番、反省の弁を述べた。
「四球が多かったりしたので、しっかりクリアしていきます」
3万弱の虎党はこのフレーズに確信したはず。まだまだ、岩田は勝ってくれる、と-。
虎、通算4000勝おおきに!史上6球団目!
阪神は1日、横浜6回戦(倉敷マスカットスタジアム)で勝利。今季通算25勝目を挙げ、2リーグ分立(1950年)後通算4000勝に到達した。巨人(4554勝)を筆頭に西武、中日、ソフトバンク、オリックスに次いで6球団目。なお、阪神の1リーグ時代からの通算は4730勝(歴代最多は巨人の5337勝)。