カテゴリ:人の話
平成30年1月24日(水) 午前5時前起床。晴れ。時折雪が舞いました。天気予報が、日本列島はすっぽり寒気の中。私は通勤の道中も、会社に着いてからも暖房の中。その寒さを感じませんでした。外で仕事をしている人たち、さぞ大変だろうな。写真はその寒さと全く関係ありません。朝のおかず、塩鯖です。ノルウェー産。脂が乗って最高でした。 昼休み、洗面所で歯磨きをしていたら、外回りの若手と一緒になりました。彼は案の定「今日は寒いです、財布が薄いから余計に応えます」と宣いました。なるほど。上手いことを言います。 午後、会議をひとつ。それ以外はデスクワークでした。出先の社員へ焦げ付いた債権を回収の発破をかけました。損な役回りですが、仕方ありません。 夕刻、風花の中を帰宅。着替えて走りました。寒いのでダウンジャケットを着ました。すぐに汗ばみました。1kmのところで脱ぎました。毛糸の帽子、手袋も、でした。 家に戻って、鯵を捌きました。帰り道に寄ったいつものスーパーへ寄って買ったのです。チャチャッ。やっつけました。 久しぶりの魚にトラが喜びました。おーよしよし。写真は満腹になって夢の中の図です。 こちらは妻と分け合って食べた刺し身。今日のものも鮮度抜群。なにせ朝取れ定置物ですから。これが0.5ラーしないんです。コスパあり。えっ、0.5ラーの「ラー」って何ですか?って。岐阜県多治見市の極一部に流通する仮想通貨です。1ラー600円がレートです。 食事を終えてバッハを。それにしてもAmazonmusic、手軽さがよい。100万曲が聴き放題です。加入していませんが、unlimitedプランに加入したら4,000万曲が聴き放題となります。そのechoプランだと月々0.6ラーあまり。充実です。突然ですが、次の写真は餅です。夕食にもの足りず、ぜんざいを温め、それに淹れようと妻が焼きました。彼女はブラジルのアマゾンしか知りません。彼女、それを頬張りながら、その通販をどうしてアマゾンというのか訊いてきました。答えることが出来ませんでした。 忘れていました。先週の土曜日、エレクトーンの修理に延岡から調律師がやって来ました。その折に聞いた話を書いておかなければなりません。以下のとおりです。 「そうなんです。私は調律師です。仲間はね、この仕事を気楽といいますよ。家庭を訪ねても愛想要らずですからね。ピアノに向きあって40分、調律が終わってハイ15,000円。それを受け取ってハイさようならです。いい商売ですよ。それが証拠、以前、調律師の募集に『週末の副業、好きな折に訪ねて高収入』というキャッチコピーもありました。でもね、私はそうは思わんのですわ。そういう簡単なものではないんですよ。案の定、そんなところ、今は淘汰されました。ああ、あの番組を見ましたか。そうでしょうそうでしょう、ショパンコンクールの舞台裏、それが調律師の本当の世界ですよ。オーナーを訪ねて流れ作業、音程を整えるだけじゃー何の楽しみもありません。その奥にこそ深い楽しみがあるんです。それを話す前にちょっと調律の話をしますね。ピアノの鍵盤はてこの原理です。鍵盤に少しの重い軽いがあってもいけません。88ある鍵盤がみな同じにそろっていないと、強弱や連打に支障が出ますからね。鉛を使ったりして調整します。タッチは幼児であってもプロであっても、いい演奏となるための生命線ですわ。鍵盤を横から見て、少しの凸凹があるなど論外です。も一つは音質です。ピアノの音はハンマーで弦を叩くことによって出ます。そのハンマーは、使い過ぎや経年劣化により硬くなったり変形します。削ったり交換したりしないと、いい音に戻りません。微妙な作業です。さて、お宅にお子さんがいたとします。上達していくと、毎年の調律が半年になり、毎月となるんです。次第に家庭環境のこと、お子さんの興味と思考、音楽の感性を知るようになり、私はその個性を伸ばすにはどんな調律がいいのか、どんな音が似合うのか、商売を離れてのめり込むようになります。調律とピアニストの個性とが相まって一種独特、固有の音が作られていくことになるんです。子供さんが長じて音大にでも進学し、そこの教官に『あなたの音はいいね』とでも言われようものなら、これほどの冥利はありません。調律師の生き甲斐です。まあそんなことは滅多とありませんがね。でも音楽を楽しもう、目指そうという人に対する私の矜持でもあるんですよ。ショパンコンクールの番組に出ていた調律師は、音楽を離れたところでも演奏者と時間を共有していたでしょう。ピアニストと一緒し、生い立ち、生活、個性、人柄、嗜好・・・、人となりを感じ取り、演奏者がどんな音楽表現にしたいのか、本人の個性が生きるよう、音を調律していくんです。如何ですか、素晴らしい世界でしょう。えっ、私のピアノですか。私の小さい頃は、ピアノなんてとてもとても。チャンバラ遊びで育った世代ですよ。ピアノ教室なんぞに縁はありませんでした。でも、この仕事を選んだ後は見よう見まね、自己流で楽しんでいます。やっぱりショパンがいいですね。大好きです。ああ、お宅はバッハがお好きですか。彼の音楽もすばらしい。平均律を用いた功績は、それ以降の音楽史に貢献大ですからね。ほほぅ、宅のピアノですか。ちょっといいですか。ふむふむ、なるほど。古いですね。 ピアノは新しいものほどいい音がしますよ。進化しています。ピアノの材質ですか。木に興味がおありで?主にスプルースという北米産の針葉樹ですよ。楓(かえで)も使われますね。北向き斜面の中腹に育つものが一等と言われています。えっ、宮大工さんの使う材料も北向き斜面の檜材がいいんですか。なるほど。目の詰まって強度のあるものが重用されるピアノと一緒ですね。木の話をすれば、限りがありません。楽器のほとんどは木でできていますからね。それにしても昔の職人さんはいいピアノを作りました。フレームカーブの美しさには惚れ惚れしますよ。今は直線と鈍角だけで興ざめです。音の話ですか?メーカーにより違いますよ。私はベヒシュタインが好きですね。いえ、もちろんベーゼンドルファーやスタンウエイもすばらしいですよ。でもそれらにだって出せない音がベヒシュタインにはあります。イメージしてください。高級スプーンを硬い大理石の床に落としてチャリーン、透明、純粋の感じのする貴族的な音色、これはベヒシュタインにしか出せないんです。余談ですが、ヤマハさんは昔、ベヒシュタインを手本にしたんですよ。初期の頃はドイツへ学びに行ったそうですよ。古いヤマハ製品は形もベヒシュタインそっくり。いや、とんだ長話をしました。お茶を馳走になりました。すっかり長居をしてしまいました。それにしても延岡と佐伯は近くなりましたね。遠いところをなんてとんでもない。昨日は北九州だったんですよ。遠出も仕事のうち。佐伯は近場ですよ。親会社から指示があると、福岡、熊本はざら。長崎や鹿児島の離島にも渡ります。あぁ、お代ですか。勿論要りません。メーカーにいただいていますので。それではこれで。おっと、忘れていました。エレクトーンへの一番のご馳走は電気です。毎日、音を出してあげて下さい。電気製品は毎日の通電が故障を防ぐ一番の手だてなんです。よろしくお願いしますよ。ああ、庭に植えたカンランが美しいですね。さようなら」 饒舌の方でしたが、聴いた内容は深かったです。自己流でピアノを始めてショパンか。私も始めようかな。ピアノもエレクトーンもあるし。1曲だけでもバッハを弾けるようになりたいな。そうなったら格好いいだろうな。でもチェーンソーを握る指は繊細さに欠けているからな。焼酎を飲んだせいで震えもするし。次の写真は拙宅エレクトーンの鍵盤です。ボタンをあれこれ押すと、あらゆる楽器の音色が出ます。 今日の一句 凍え路そろりそとりと鎌鼬 今日のラン 3km 今日の酒 日本酒2合 焼酎5勺 今日の写真は里芋です。夜の更けて妻が剥き始めました。 何でも、芋が風邪をひいたそうです。早く食べないと、駄目になってしまうとのことでした。次の写真はその症状です。
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