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2004.05.28
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爺さんとのテニスでヘロヘロになった僕は、帰路に着いた。
駅前に立ち飲み屋があって、いつも通るたび、酒とツマミの匂いがするので、常に行きたいなーって思ってるんです。
でも、「立ち飲みコミュニティー」とでも言うような、一種カルトな仲間意識みたいなのができてそうで、一見さんがいきなり行っても、

「なんじゃ、こら? ここはお前みたいな若造が来るところじゃねーぜ」

とか酔っ払いの常連さんに言われそうで、しり込みしてるっす。


で、そんな僕は、どうしても酒を飲みたいときは、立ち飲み屋の前においてある自動販売機でビール(=発泡酒:¥140)を購入し、さらに改札横にあって、また僕を誘惑してやまない焼き鳥屋のお持ち帰りコーナーでカップに入った唐揚、1カップ100円。

240円の贅沢

でも、この「240円の贅沢」、電車が来るまでの時間やから、長くて10分、短かったら3分ぐらいしかない。
10分なら、贅沢気分を存分に味わえるのだが、3分の場合、ちょー急ピッチでビール(=発泡酒)と唐揚を胃の中に収めなくてはならないので、あまり贅沢気分は味わえません。
「大体、ほんまに贅沢するんやったら、本物のビール飲まなあかんな~」
とか、最近思ってます。

ま、そんなこんなで、お酒も入り、いい気分になった僕は、電車に乗り込んだ。
すでにヒザカックンの頻度は1カックン/3歩から、2カックン/3歩に上昇し、オールカックンになるのも時間の問題かと思ったぐらいです。


ところで、電車に乗るときは、いつも本を読んでます。
いま読んでるのは司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」。
「今頃かい?」とか言わないで~

ま、いつも読み出すと集中して周りが見えなくなります。

だから電車に乗ってるときは、乗り過ごさないよう、なるべく頻繁に駅を見るようにしてます。
で、いつも通り「西大寺」で乗り換え。
西大寺では、難波行き、奈良行き、京都行き、橿原神宮行きと、四つの方向に電車が走ってる。
奈良県にしてはややこしいけど、慣れたら簡単。

僕は「難波行き普通」に乗ります。
ちょうど、僕らの電車が入ったときに、「難波行き普通」の電車がホームに入ってた。

「ラッキー♪」

とか思って、その電車に乗り込むべく、自分の電車が停まる前にドアの近くに立った。
すると、向かえに停まってる電車のドアが「ぷしゅ~」とか、親父の放屁のような音を立てつつ、閉まって、自分の電車が停まるのと、同じ加速度で、発進していった。

「ムキーッ!!」

ほんま駅員に文句言うたろうか!って思った。
たぶん、僕だけじゃないはずや!


で、しょーがないので、僕はまた本を読むことにしました。
「次の難波行き電車は3番乗り場」って書いてあったので、3番乗り場に立っていた。
すると、しばらくしたら電車が入ってきた。
おっと、これは急行だ!やばいやばい。これの次。
で、急行をやり過ごし、次に電車が入ってきた。

僕はずっと前、それこそ前の電車を乗り過ごしたぐらいのイキオイで、並んでいたわけだから、当然一番前に並んでいた。
後ろにも、結構人が並んでる。
すると、横から、

「ふうっ~ 私は疲れてるのよねん。それに、こんなにスーパーの袋持ってるのよ。」

と、いかにも、っていうか体全体で表現したオバハンが割り込んでいた。
「こいつ~ ほんまは疲れてへんやろ。 俺なんかカックン症候群や。」
と、急に闘志が湧いてきた。
僕は、義務教育12年、駿台予備校1年、大学、大学院6年の勉学で習熟した知識を総動員して、電車が停まる場所を、瞬時に割り出し、オバハンを巧みにブロックするような立ち位置に立った。

同時に、僕のすぐ後ろに並んでいた、ちょっとケバめのオネーチャンにアイコンタクトし、僕のブロックをたくみに利用し、オバハンより先に電車に乗り込め!と言う合図を出した。

「らじゃー」

目で合図した彼女は、電車が停まるのと同時に、オバハンの前に立ち、僕に続いて、僕よりも巧妙にオバハンをブロックしつつ、するっと電車に乗り込んだ。
オバハンは、僕と彼女の秘儀コンビネーション・ダブル・ブロックで、完全に行く手を阻まれ、しかも人波にもまれ、とうとう座席に座ることが出来なかった。

「ふん!どうだい!」

と、まんまと座席をしとめた僕と見知らぬケバネーチャンは、勝利の笑みを噛み締めた。
それにしても見事なコンビネーション!
どこか違うとことで会いたかったぜ・・・
と、オバハンとの戦いに勝利を収めた僕は、すっかり悦に入り、再び読書にいそしんだ。


しばらくたって、なかなか駅に着かないことに気がついた。
しかも、暗がりでよく分からんが、外の風景が違うか???

するとアナウンス。
「こ~の電車は~ 京都行き~急行~で、ございますぅ~」
えっ!京都行き?

間違えた・・・ しかも急行て・・・

そうなんです。
3番ホームには「難波行き急行」→「京都行き急行」→「難波行き普通」と入ってきてたんです!
読書に、そして戦いに夢中になってた僕は、すっかり行き先を見てなかった!
でも、「難波行き普通は3番」とか書いてあったら、乗り込むっちゅーねん!

ややこしいねん!近鉄!そんなんやから、野球も負けるんじゃ!

とにかく、急行のため、二駅も乗りすぎたあと、折り返しの電車を待っているホームには誰もいず、僕の寂しさと、ヒザカックンだけが残りました・・・

ま、そんなとこです。
長くてごめんちゃい。。。
今度は短くね♪

追伸:明日から一泊淡路島旅行でーす! 嫁と二人で。 妊娠中の嫁を連れて、非常に無謀ですが、医者にも止められなかったので。





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最終更新日  2004.05.28 22:50:35
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