整理整頓

踏ん切りがつき、というより、お金がないので
ついに放ってあったベースとギターを楽器屋に持っていった。
どちらも前彼が買ってくれたものだと記憶している。（記憶がもう定かでない）
二つで１万５千円にでもなれば、と期待していたけれど
どちらも金額にならない、とのこと。
ベースはもう、調整も聞かず、引き取っても処分、
ギターは千円くらいは出せるが修理して売るとなるとマイナスとのことで
やはりゼロ円。
彼に返そうとか、いろいろ悩んでいたし、手元にも置いておきたい気持ちもあって
そのまま弾かなくなってずいぶん放っておいたせいか。
誰かに弾いてもらったほうが楽器も幸せとやっと手放すことができたのに
楽器にも彼にも悪いことをした。申し訳ないと思う。
反面、どちらもネットのオークションもの、最初からその程度のものだったとも思う。
売っては価値がない、彼の、私が弾いて価値のあるものだった。
昔の男に貸していたときもあったけれど、取り返したのだった。
処分することになるのだったらヤツにあげてもよかったか、そのほうがよかったのかと
思ったけれど、
どちらにも未練が残り、前彼にも昔彼にも楽器にも執着していて、
きっぱり処分してよかったと思う。
部屋が広く感じた。

３０年前くらいにアルバイトをしていた喫茶店のマスターから貰った１８金の指輪。
１年勤めつづけ、餞別、お祝い、退職金かわりに辞めるときに貰った。
「売れば結構な金額になると思うよ」といってくれた幅の広い平打ちの大きな指輪。
そのマスターも当時は店もゆきずまり、金策に困り、サラ金からよく電話がかかってきた。

金買取の店に行った。

可愛い若い娘が対応してくれた。
結局、５７００円にしかならなかった。バブル時期のリボンのネックレスは金ではないので
引き取れないと言った。
仕方がないと思う。
その定員さんはティッシュ５箱、ドリップコーヒー４個入りをひとつ
つけてくれた。
いい経験をさせてもらったと思う。

ベースもギターも、指輪もなくなった。
もともと思い出もなかったものだから寂しくはないけれど
それを提供してくれた彼らにちょっと申し訳なくは思った。

５４９円の白ワインを買って帰って
晩御飯に亭主と飲んだ。