小野不由美がことのは(言の葉)で作り上げた もう一つの帝都東亰~『東亰異聞』
みなさん、こんにちは。パンダの赤ちゃんが生まれましたね。無事育ってくれるといいですね。さて、今回は、このほど新たに刊行される分も含んで十二国記シリーズが新たに出版される小野不由美さんの作品を紹介します。『東亰異聞(とうけいいぶん)』 小野 不由美 / 新潮社明治29年、帝都東京。魑魅魍魎が跋扈する街・東亰。新聞記者の平河新太郎は万造と共にその奇怪な事件を追ううちに、鷹司公爵家のお家騒動に行き当たる。利き手に人形、片手に扇子、羽織袴を身に纏い、三味線の音を背に、ゆうらり、と立ち上がる。そんな語り手の姿が眼前に立ち昇って来るような人形と謎の人物のやり取りは、扇子で調子を整えながら、講談師のごとくに語ってみたくなる文章だ。世の中が言文一致に向かう前。話し言葉と書き言葉、二つが混ざりあわんとしていた明治という時代にその文章はよく似合い、語るそばから怪しく淫靡な香りが匂い立つ。本書の主人公平河新太郎や万造達が街に出て調査する場面は、文章も会話も現代風だ。それは彼等が、火炎魔人、夜道で辻斬りする闇御前、さらには人魂売りや首遣いなどの魑魅魍魎の怪しき雰囲気を、振り払わんとする立場にあるからだ。2つのタイプの文章が交互に現れ、やがてクライマックスに向かうさまは、離れて植わっていた二本の大木が、上に向かうにつれ、枝が絡まり葉が重なり、やがて木の下が真っ暗闇になっていく様を想起させる。ハメルンの笛と並ぶ魔力を持つ、小野氏の「ことのはつづれ(言の葉綴れ)」にくるまれてふぁんたじあへの門をくぐる人は後を絶たない事だろう。東亰異聞/小野不由美【1000円以上送料無料】梨花さん愛用のフコイダン高濃度美容液!使ったその日からうるおいを実感!まさに生まれたて肌...価格:4,725円(税込、送料別)