和紙貼り名人石塚真弘さんの技法一見すると、「まるで陶器みたいだ!」と口ぐちに感嘆の声をあげる。「そうです。陶器なのです」と答えても何の疑いなく納得する。そんな石塚真弘さんの和紙貼りは見事なものだ。 ![]() 石塚真弘さんの和紙貼りとデコパージュ ![]() まるで本物の陶器のようだ! 和紙貼り技術はもちろん、デコパージュの技術は石塚さんにとって専売特許みたいなもの。 私がジャンボひょうたん会に入会する1年前の、平成16年JH大会にて石塚さんが会場で和 紙貼りの技術指導をしたという資料がある。 和紙貼り ◆和紙貼りについて 和紙の図柄をできるだけそこなわずに瓢箪に貼る。この目的を満たす為和紙を水漬けして裏紙 をはがす。薄くしたことで重ね貼りした部分の段差を少なくする。又、図柄を合わせながら切 り込みを入れ貼っていく。 艶出し、艶消しの塗料は美観と紙の保護になるので仕上げとして使用する。 ◆用意する物 ・瓢箪(傷の付いたものでも良い) ・和紙 ・ノリ(でんぷん糊) ・艶出し塗料 ・ハサミ ・カッター ・ピンセット ・モデラー ・刷毛 ・ウエス ・霧吹き ◆和紙を貼る手順 1.ノリを薄めに作る。 2.和紙を切る(目安は瓢箪の下の膨らみを包む程度の大きさで四角に切る) 3.和紙をはがす。(水に約1分漬ける。見極めが重要) 4.角の方から和紙の下紙をはがす。(上・絵柄 下・白無地) 5.ぬれたままの紙を広げた後、瓢箪の底・全面にノリを付け、紙の真ん中に置き、底の部分 から貼っていく。 6.だぶついた部分は、ハサミ又はカッターで切り込みを入れノリを付けて重ね貼りをする。 7.下になる紙の絵柄はどこで切っても良いが、上になる紙は図柄をそこなわない所で切って 貼る。 8.余分な紙は出来るだけ大きめに切り、瓢箪の上の部分に使う。 9.紙が乾いたら霧吹きをし、湿らせながら貼る。 以上を繰り返し上まで貼っていく。 ◆補正 ・半乾きになったら行う。 ・小じわの所をモデラーで押し付ける。または、上から下になでる。 ・乾いていたら、霧吹きをして湿らせる。 ・図柄の合わない所は、図柄の合った紙を切り、ノリを付けて貼る。 ・補正が終わったら、瓢箪全体にノリを付け乾燥させる。 ◆仕上げ ・艶出しは透明塗料を塗る。(水生・油性のどちらでも良い) ※和紙専用の水性のつや出し液が使いやすい。(発売元・さくらほりきり) ・原液のまま2~3回塗る。 参考事項 和紙の選び方 ・友禅和紙の手すきがはがれやすいので良い。 ・色の濃いものが良い。(下地が写らない。重ね塗りしても下の紙が写らない) ・単独の図柄は貼りにくい。 以上が和紙貼りについてであるが、この和紙貼りとデコパージュの組み合わせでの作品が隣に ある。 |