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2011.12.30
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かつての航空は、富裕層の乗り物でした。

運航コストが鉄道や自動車に比べて格段に高く、価
格競争ができるような乗り物ではなかったからです。

「高くても乗る」乗客を待って飛行機を運航してい
たのです。

したがって、「到着時間の速さ」と「豪華なサービ
ス」が決め手になったのです。

第二次世界大戦後に主要国にエアラインが誕生する
と、国際運賃が決められましたが、決定はエアライ
ンが寄り集まった国際航空輸送協会(IATA)に
おける関係者の全会一致が原則のため、各社の思惑
や経営事情の違いから、安い運賃案は通らず、最も
高い案に集約されました。



しかし、エアラインは待ちの姿勢では集客が増えな
いことから、ひそかに値引きが行われました。

サービス面で競争力の劣るエアラインは、価格で勝
負しようとしたのです。

IATAは、覆面調査員を活動させ、通報のあった
地域でサンプル購入し、事実が確認できると、該当
エアラインに警告を発していました。

なんとも前近代的な価格維持の手法ですが、それで
もある程度の抑止効果を発揮できていたのは、市場
の規模が小さかったからです。

1950年代の主力機のダグラスDC-6Bの定員
はわずか60人程度で、週に3~4便を運航する程
度でした。



ところが、60年代に入ると本格的なジェット機時
代になり、ダグラスDC-8やボーイング707の
定員はプロペラ機の2倍の100~130人に増え
ました。

しかも、スピードも2倍になって半分の所要時間で
飛べるので、同じ機数でも輸送量は4倍になりまし
た。


ビジネス客だけで座席を埋め切れなくなったエアラ
イン各社は団体観光客に着目し、エコノミークラス
をツアー客で埋めようとしました。

日本ではジャルパックが脚光を浴びた時代でした。



ところが70年代になると、更なる革新がやってき
ました。

ジャンボジェット(B747)の登場です。

ジャンボは巨大なスペースを生かして、運航コスト
の大幅削減も実現しました。

しかし、運航コストを下げるには、大勢の乗客が乗
ることが条件で、集客が問題になりました。

何しろ、乗客の定員はそれまでのジェット機の3倍
の360人ですが、貨物スペースも1機分に相当す
るから、販売スペースは4倍になりました。



巨大機が次々飛び立つのに営業が追いつかなくなっ
たのです。

さらに、ジャンボ機を導入したエアラインが手放し
た旧型ジェット機が中古機市場にあふれ、それを新
興国のエアラインが安く購入し、安い運賃を販売し
始めました。

エアラインは安いパックツアーで座席を埋めようと
しましたが、オフシーズンにはなかなか集客できず、
販売見込みのない格安航空券が市場にあふれ出しま
した。

格安航空券がもてはやされた最大の要因は、定価か
らの値引率の大きさにありました。



正規運賃に比べて1~2割程度の差ならば、誰も相
手にしなかったでしょうが、数分の1という安さな
のですから利用者が目の色を変えるのは当然です。

80年代には旅行者も個人旅行になじみ、格安航空
券を専門に扱う旅行会社も数多く設立されました。

しかし、日本の航空券市場が他国と異なるのは、正
規航空券と格安航空券との差が異常に大きいことで
す。

「東南アジアを除く発展途上国」(南アジア、旧共
産圏、アフリカ、南米)には、格安航空券はほとん
ど存在しません。

アメリカのように、運賃が自由化されている国では
値引き幅は小さく、その差は5~20%です。

当初は、限りなく違法に近い商品と見なされていま
したが、大手の旅行会社も取り扱うようになって表
舞台に登場しました。

そして、巨大スペースをもてあましていたエアライ
ンに販売力がついてくると、ジャンボはその経営に
も大きく貢献しました。

低い運航コストで大きな収益をもたらしたのです。

同時に利用者には、航空運賃の引き下げで大きく寄
与し、海外旅行が大衆化して旅行市場は一気に拡大
しました。







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Last updated  2011.12.30 17:02:18



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