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proud じゃぱねせ

proud じゃぱねせ

妊婦 in 合理主義国

アメリカに戻ってきて、まず産婦人科に予約を入れた。
「あの、日本で流産しかかって、戻ってきたんですが、すぐに一度見てもらいたんですけど、、、」
という私に受付の姉さんは、
「ちょっと待って、ナースと話した方が良いみたい」とナースに代わってくれた。
「まだ出血してるの?痛みや攣るような感覚がある?めまいや吐き気は?」
事情を受付の姉さんに聞いていたらしいナースは、いきなり質問攻めと来た。
「いや、、、今の所、特に何も、、、」と考えながら答えると、
「じゃあ普通の予約でいいわ、急がなくても。容体が変わったら電話を頂戴。」
だって。
さすがアメリカ。合理主義の国。無駄な事は徹底的に省く。

日本だったら患者を安心させるために取りあえず見てくれるだろう。っと言っても当時の日本は予約なんて取れず、
朝から診察券を出してずうぅーっと待合室で待つ事になったんだろうが、、、

カリフォルニアでは医者に掛かる時は、急に具合が悪くなったんでない限り予約制だ。
無駄に人を朝から晩まで待たせたりしない。
病院に薬局(処方箋を受取る所)も無い所が多いので、あまり混んだりしない。
処方箋は、24時間開いているドラッグストアーなどでいつでも受取れる。
2度目以降は薬だけの場合、ドクターへの電話だけでドラッグストアーで受取れるので、病院に行く必要も無い。
こっちに来たての頃は、その便利さにビックリしたものだった。

ドクターは女の先生を選んだ。男の先生よりもものも聞きやすいし、
もちろんハラスメントも少ないし、出産経験者なら尚更いいと思ったから。

普通の予約で尿検査、最後の生理などの質問などで、予定日が2000年の10月11日と判明。

普通分娩か、帝王切開か、
全身麻酔か、部分麻酔(これにも3、4種類あった、確か)
母乳で育てるつもりか、それとも粉ミルク(こっちではフォーミュラと言う)か、
いろいろな参考資料を渡されると同時に、今の所の予定を聞かれた。
(後で変える人が多いから、ファースト・プランと言うそうだ。)

私のファースト・プランは普通分娩の自然分娩で母乳。麻酔は使わない方向で。
なぜって日本人だから。(笑)

ちなみに当時のカリフォルニアでは、普通分娩で部分麻酔が圧倒的多数。
それも「エピドール」と呼ばれる背骨を包む膜の部分に打つ麻酔が一般的だった。
ファースト・プランから最終的な決定で変更が一番多いのが、この自然分娩からエピドール使用に、なんだそうだ。
私が自然分娩で、と言った時、ドクターが教えてくれた。
「まぁ、時間があるから、ゆっくり考えて。」と優しく言ってくれたけど、
ドクター、私が土壇場で自然分娩撤回すると思ってるな。

それ以外には、スパイラル(背骨)の麻酔などもあったが、
胎児に一番影響が少ないのがエピドールだと言われていた。
驚きだったのは、帝王切開か、普通分娩かも自分で選べる事。
母親の都合や予定、好み等で、帝王切開を前もって予約も出来るようになっている。
これを合理主義と言わず何と言うって感じ。

診察も無事終わり、帰ろうと思った所でドクターの一言。
「あっ、ちょっと待って、もう一つ。あなた寿司は好き?」
ドクター、何言っちゃってるんだい。あたしゃ日本人だよ。
「もちろん。」とにっこり笑って答える私に、もっとにぃーっこり笑ってドクターは答えた。
「too bad(可哀相に). 出産するまで生魚は食べちゃだめよ。」

・・・・・

かくして私のアメリカでの妊娠生活が始まった。



のほほんアメリカ妊婦生活




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