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カテゴリ:DIANA文庫
2022年4月刊 DAIANA文庫 著者:木登さん 小さいころからの文房具好きが高じて、大手文房具メーカーのティンテに就職した私こと大上凪子。希望通り営業部に配属されて3年。憧れの上司・宇佐美さんを目標にがんばってきた甲斐あって、今はそれなりに評価してもらえるようになった。そんなある日、会社の飲み会のあとに酔った勢いで宇佐美さんと一夜を過ごすことに。週明けからはまた上司と部下に戻るのだと自分に言い聞かせ、好きな気持ちを必死に抑えて、大人の関係と割りきって接しているのに、当の宇佐美さんは挙動不審。それじゃ、バレちゃうでしょ? ほどなく食事に誘われ、「今夜ももしかしたら……」という密かな期待は裏切られ、何事もなく寂しさを抱えながら家路につく。ほら、やっぱり宇佐美さんは、私のことなんか何とも思ってない。なのに同期の及川くんと飲みにいけば、今度は嫉妬全開ーーって、宇佐美さん、どういうつもり? ↑楽天ブックスより、あらすじ引用 登場人物 大上凪子=無類の文房具好きが高じて、大手文房具メーカーに就職。 入社して3年、上司の宇佐美に片思いしている。 宇佐美厚=凪子の上司でチームリーダーを務める営業主任。俳優並みに整った顔 立ちをしており、女性社員達からの人気も高い。 及川=凪子の同期の男性社員。 宇佐美さき=取引先である大手生活雑貨店のバイヤー。美人で宇佐美と同じ苗字な 事で凪子が要らぬ誤解をする原因となる。 kindleの本棚も減らしていこうシリーズです。 こちらも長らく積読状態になってました(^_^;) 凪子は好きが高じて、夢であった大手文房具メーカーへの就職が叶い、少しでも文房具のすばらしさを知ってもらいたいと営業部を希望。 運良く希望部署に配属されて消費者目線での売り込みがウケたのか、営業成績も良い。 とは言え、やりがいはあるもののどの業界もそうだろうけれど、営業部は忙しい。がむしゃらに働いて瞬く間に3年も経っていた。 漸く心にも余裕が出来て、凪子が営業部を希望したもう一つの理由となった上司・宇佐美を盗み見る。相変わらず、どうして芸能界に行かなかったんだろうと思う程カッコイイ。 おまけに、あの若さで主任を任されるくらいだから仕事も出来る。 内定をもらう前にもこの会社のHPをよく見ていて、短期間だが宇佐美が書いているコラムを目にし、その文房具愛に感銘を受けたからであった。 出来れば、この人の下で働きたい! そして、運が良いことにこうして希望も叶っている。 これ以上望むのは贅沢かもしれないが、以前飲み会にて宇佐美が長らくフリーと聞いて、俄然闘志が湧き上がった。 が、容姿も然ることながら出世頭でもあるため当然彼は女性社員達からの人気が高く、ライバルは無数にいる。 同じ部署、そして直接の部下である凪子は若干有利ではあるものの、どうアプローチするべきか。 そんなある日、マーケティング部との交流会と称した飲み会の席にて、隣になった凪子と宇佐美。 酒の力を借りて今夜告白してしまおうか、と決心していたら、突然宇佐美に手を握られて驚いた。酔いが回ってつい握ってしまったのかと思いきや、どういう意図?と周りに気付かれぬよう握られた手を持ち上げると更に強く握られた。初心でもない凪子はこれは遠回しなお誘いに違いない、と二次会に流れる人達を横目に二人はホテルへ。 随分盛り上がって、彼はリップサービスか最中に好きだの愛してるだの口走っていたが、翌朝素面に戻るとどうにも気まずい雰囲気。 酔いに任せて一線を越えたことを後悔しているのかもしれない。 そう思うと、凪子の気持ちも急降下。お互い大人なのだし初めてでもないのだから、一夜のアバンチュールと言うことにしよう。 仕事に影響しても良くない。3年も思い続けていた人物との一夜、割り切った関係にしてしまうのは悲しいけれど、相手の気持ちも汲まなくては。 だが、暫く経って漸く彼は本音を打ち明けた。 宇佐美はモテそうな割に経験が少ないらしく、凪子に呆れられていたのではと不安に思っていたらしい。 そういえば、あの夜は凪子が主導権を持っていた様に思う。男として恥ずかしく思わせていたのなら申し訳ない。 でも、とても良かったしかつてないほど気持ち良かったと素直に伝えると、宇佐美は嬉しそうで、これは脈ありか、と内心喜んでいた。 だが、以降全くお誘いが無い。女にあそこまで言わせておいて放置しているのは意味不明過ぎる。 取引先の担当からのセクハラまがいの嫌がらせにまいっていた時期と重なり、何だか腹が立ってきた。一応、セクハラについては宇佐美が対処してくれたものの、二人の関係は未だに上司と部下以上恋人未満のまま。はっきりしない割に、気の良い同僚の及川と飲みに行けば嫉妬心剥き出しの態度。 一体どうしたいんだとストレートに尋ねてみたが、彼は無言を通し何とも煮え切らない。 だが、大手雑貨店のバイヤーが商談で訪れ、応対した宇佐美がその担当者を下の名前で呼んでいたことで、元カノか新しく出来た恋人じゃないかとの噂が凪子の耳にも入り・・・。 私も読んでて、このはっきりしないヒーローにイラっと来ましたが、終盤になって漸くその態度の意味が判ります。 彼があの夜行為の最中に呟いていた言葉は告白のつもりだったらしく、凪子の返事を待っていた状態だったのです。成程、言われてみればやたらと凪子からの言葉を気にしていたような。 俺はちゃんと告白した、君の返事は? ってか、そんなのはとっ散らかってる時でなく、静かな時(?)に言いなさいよ(苦笑) まあ、顔の割に恋愛慣れしていないのもあってどうしたらいいのか内心では右往左往していたようだけど、元カノと噂の宇佐美さきの登場で凪子に誤解され、悠長に待ってたらあわや失恋するところでした。 結局さきの機転によって、誤解は解け、改めて想いを伝えあった二人は晴れて恋人同士に。 さきさんは宇佐美の兄の奥さんで、名前で呼んでいたのは幼馴染だったからと言うオチ。 いくらヒロイン側の方が積極的とは言えど、ヒーローの意図が判らないと色々最悪な方向に想像しちゃいますよね。ラストではプロポーズもされてたし、近い将来結婚するんだろうなって雰囲気で幕。 拗れかけるもページ数が少ないのでじれじれ度は少な目。私も文房具好きなのので、ヒロインには共感が持てました。それに、タイトルにあるほど拗らせ系女子ではないような。 評価:★★★★☆ 因みに内容とは全く関係ないですがSARASA CLIPが至高のペンだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.09.10 23:37:03
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